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永福寺、VRで眼前に再現 歴史文化交流館 15日から常設公開

神奈川

2018年9月2日

鎌倉歴史文化交流館に設置されたVRの装置を着ける学芸員=鎌倉市で

 源頼朝が建立し、室町時代に焼失した寺院「永福寺(ようふくじ)」の姿をバーチャルリアリティー(仮想現実、VR)で体験できるデジタルコンテンツが、鎌倉市と湘南工科大(藤沢市)の協働事業で完成した。鎌倉歴史文化交流館(扇ガ谷一)で、十五日から常設公開する。 (北爪三記)

 永福寺は、頼朝の奥州攻めで亡くなった人たちを供養するために建てられた。頼朝が現地で見た平泉の浄土式寺院にならったとされ、鎌倉幕府の迎賓館の役割も果たした。一四〇五(応永十二)年に火災に遭い、その後は再建されなかったという。鎌倉市二階堂にある「永福寺跡」(八万六千平方メートル)は国の史跡に指定されている。

 長年にわたる市の発掘調査で、中心の建物「二階堂」と、その両脇にあった阿弥陀堂と薬師堂、ほかに釣殿や池、橋、庭園といった大伽藍(がらん)の配置や規模が判明。市は昨年、二階堂などの基壇を木製で再現したり池を復元したりして、史跡公園に整備する事業を終えている。

 湘南工科大と市の協働事業は、二〇一〇年に本格的に始まった。往時の永福寺をCG画像で復元しようと、工学部コンピュータ応用学科の長沢可也(かや)教授の研究室が動画コンテンツを作り、最新技術のVRに応用した。

 市の復元図を基に、建物の意匠などを市とやりとりして制作。修正を重ね、最長五分三十秒の仮想現実を楽しめる。期間限定で公開した昨秋、行列ができる人気となり、さらに改良を加えた。

 長沢教授は「夜桜が散る場面など、体験する人を引きつける学生のアイデアも盛り込んだ。画像の解像度などの精度をさらに上げたい」と意気込む。

 松本信雄学長は「永福寺があたかもそこにあるかのように感じてもらい、鎌倉という地に対する思いを深め、歴史の断面を勉強したいという意欲を持ってもらえれば」と期待した。

 問い合わせは、同館=電0467(73)8501=へ。

VRで使用される復元CG画像=長沢可也教授提供

 

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