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イスラエル企業開催 対テロ見本市 200人抗議

神奈川

2018年8月30日

集まった人たちに抗議を呼び掛ける杉原浩司さん(左)=中原区で

 川崎市中原区のとどろきアリーナで二十九日、イスラエルの対テロ・情報セキュリティ関連企業の見本市「ISDEF JAPAN」が始まり、開催に反対する市民ら約二百人が会場前で抗議した。また区は、会場で配られたパンフレットに小銃などが掲載されていたとして、出展企業にパンフの撤去を指示した。 (大平樹)

 「川崎でのイスラエル軍事エキスポに反対する市民の会」が呼び掛けた抗議は午前十一時半ごろ始まった。横断幕を掲げて「戦争やめろ」「(イスラエルが封鎖しているパレスチナ自治区の)ガザを開放しろ」などと、日本語、英語、ヘブライ語で行った。来場者と言い合いになる一幕もあった。

 同会は、イスラエル企業の技術はパレスチナ人を抑圧して得たとして、市に会場利用許可の取り消しを求めてきた。呼び掛け人の杉原浩司さんは「イスラエル企業は戦争犯罪で得た技術を売り込んでいる。そうした見本市に川崎市が加担したことも問題」と話した。見本市は三十日まで開かれるが、会は市に同日の利用許可を取り消すようあらためて求めた。

 パレスチナ自治政府の旗が描かれたTシャツを着て抗議に参加した、東京都大田区在住の米国人グレゴリー・ガートナーさん(27)は、イスラエルがパレスチナ人のデモを銃撃したことに触れ「会場を貸した市の決定は犯罪的だ」と語った。

 一方、区は、出展企業のブースで配られたパンフレットに小銃などの火器類が掲載されていたとして、出展企業にパンフの撤去を指示。イベント主催者の代理店には、三十日に同様の事態が起きた場合、利用許可を取り消すと警告した。

 区によると、パンフは英語のカタログで、小銃と銃弾などが掲載され、価格は載っていなかった。外部からの指摘で分かった。出展企業は区に、海外での見本市で置いていたものを撤去し忘れたという趣旨の説明をして、撤去を受け入れたという。

 区の担当者は「火器類を掲載したパンフレットの配布が、会場の利用規則に違反するかどうか明確ではないが撤去させた」と話した。杉原さんは「このイベントが軍事見本市だと主張してきたが、その通りだと裏付けられた」と批判した。     

◆主催者、五輪対策を強調「人々をどう守るか」

 川崎市中原区で始まったイスラエルの対テロ・情報セキュリティ関連企業の見本市「ISDEF JAPAN」。会場に火器類の展示はなかったが、迷彩色の装備品や車を使った自爆テロを防ぐ車止めなど、物々しい展示物も。来場者の多くは外国人で、出展者に英語で質問する姿が見られた。開会式ではヤッファ・ベンアリ駐日イスラエル大使があいさつ。大野功統・元防衛庁長官も登壇し、テープカットして祝った。

 他に展示されていたのはドローンやドローンを検知して妨害電波を出す機器、入場者が爆発物を持っていないか検知するゲートなど。主催したISDEFのマネージングディレクター、ジョナス・ゾルケンさんは報道陣に「安全保障とサイバーセキュリティのイベント。(東京五輪がある)二〇二〇年に人々をどう守るか、知識と技術を示すものだ」と強調した。

 ゾルケンさんは、川崎市を会場に選んだ理由を「(五輪という)スポーツイベントのための見本市を開くのはスポーツ会場が自然だ。国際展示場ではなくスポーツ会場を探したが、東京五輪の準備のため多くが建設中か改修中だった。この地域には製造業が多く、東京にも近い」と説明した。 (大平樹)

 

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