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<かわさき 市民健康の森>日向山の森 多摩区  冬でもポカポカ「ぼっこ広場」

神奈川

2018年8月19日

ぼっこ広場からの眺め。東生田小グラウンドの向こうに小田急線のロマンスカーが走る=多摩区で

 日向山(ひなたやま)の森(東生田緑地)は、小田急小田原線の向ケ丘遊園駅と生田駅のほぼ中間にあり、両駅から森の入口までは歩いて約二十分。近くには、津久井道(世田谷通り)や市立東生田小学校がある。

 面積は約四・四ヘクタール。山頂は高さ約四十メートル。斜面の中腹にある広場は野球の内野グラウンドほどの広さ。南向きで、森が北風を遮るため、冬場でも日差しがあればポカポカ陽気になる日もあるとか。そのため、付いた名前が「ひなたぼっこ広場(通称・ぼっこ広場)」。「日向山」の名も、こうした地形に由来する。

 ここから、子どもたちが走り回る東生田小のグラウンド、専修大学生田キャンパスの校舎、走ってゆく小田急の特急ロマンスカーなどが見える。自然と都市が入りまじったような光景も一望でき、何とも言えない雰囲気。

 この森を管理する「日向山うるわし会」は、二〇〇二年に設立された民間団体。里山を次代に残そうと活動をしている。

 会員は今、約四十人。月二回、週末に集まっては森を手入れしたり、ジャガイモやサツマイモを栽培したり…。

 毎年一月の「ひなた山ぼっこ祭り」には東生田小の児童や近くの市立枡形中学校の生徒らが参加。焼き芋や豚汁などを食べ、竹・木細工を楽しむ。絵を描き、小学生らの演奏会も開かれる。夏場は割った竹を二十メートル近くつなぎ、流しそうめんなども催す。

 同会代表の大江原正幸さん(73)は「子どもたちと自然の循環を考えています」。毎年十月を過ぎると、小学生らと落ち葉を集めて腐葉土をつくる。ジャガイモなどの野菜づくりに役立てるほか、腐葉土の中でカブトムシなどの幼虫が育ち、最盛期の六月すぎには、そこから育った成虫が樹液を求めて木々に群がり、子供らは昆虫観察のために走り回る。

 大江原さんは「ここで育った昆虫を見つけるなど、都会では味わえない遊びができ、子どもたちは目の色を変えて楽しんでます」と目を細める。

 森には、下草を刈って雑木林を美しく保つ「森林浴の森」や小学生の自然学習の場となる「保存竹林」、雑木林を育てながら小動物の生活の場をつくる「谷戸の森」もあり、訪れる人の心身を和ませている。 (安田栄治)

<市民健康の森> 緑の保全や市民のコミュニティーづくりを目的に、市が各区に1カ所ずつ整備した。1998年から2001年にかけ、区と区民らでつくる委員会が、地域の特色を生かせるよう場所やコンセプトの検討を重ねて区長に提言。その後、順次開設した。区民による管理運営組織が植栽の管理や観察会などを行っている。

 

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