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<「やまゆり園」事件から2年>「夢、生きがい示したい」 知的障害者の三宅浩子さん

神奈川

2018年7月26日

豆腐店の店先に立つ三宅さん=保土ケ谷区で

 知的障害者施設「津久井やまゆり園」(相模原市緑区)で二〇一六年七月、入所者十九人が殺害された事件から二十六日で二年を迎える。横浜市在住で知的障害がある三宅浩子さん(48)は、植松聖(さとし)被告(28)=殺人罪などで起訴=の障害者の存在を否定する考えに反発。名前と顔を出し「私たちにも一人一人、夢がある」と主張し続けている。(梅野光春)

 保土ケ谷区の作業所「とうふ工房 夢21」で豆腐の製造、販売をしている三宅さんには嫌な経験がある。障害の影響で計算が苦手。おつりを出すのに時間がかかり、「早くしろよ」と客に怒鳴られた。

 二年前、植松被告が「障害者なんていなくなればいい」と供述したと知り、怒鳴られた記憶が脳裏をよぎった。被告と同じ考えの人が店に押し掛けて来るのではと不安になり、居住するグループホームの無施錠だったドアに鍵を掛けるようになった。

 今でも恐怖感は拭い去れず、「テレビで被告がニヤッと笑う映像が出ると、怖くてチャンネルを替える」と明かす。それでもめげない。「障害者が安心して暮らせるようにしたい」と、事件に関するシンポジウムなどに実名を出して、積極的に参加する。

 そこでは「手話を上達させ、ボランティアとして活動したい」と夢を語る。一一年の東日本大震災で、多くの耳の不自由な人が逃げ遅れて亡くなったと聞いた。独学で手話を始め、昨年一月からサークルで練習を続ける。手話検定に受かったら、ボランティア活動に加わりたいという。

 「同じ人間なのに、障害の有無で分けて差別するのはおかしい。できること、できないことがあるのは誰でも一緒」と三宅さん。「これからも私の夢を話しながら、『事件で殺された人にも夢があったはず』と訴えたい」と語った。

 

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