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イチゴを箱根の特産に 湿生花園で今春から栽培

神奈川

2018年6月27日

箱根りりかを贈呈した窪澤社長(左)と試食する山口町長=箱根町で

 イチゴを新たな名物に−。箱根町立箱根湿生花園(仙石原)は今春、年中収穫できる「四季なり」のイチゴの栽培を始めた。一般的なイチゴは暑さに弱いため冬から春に収穫する「一季なり」で、甘いイチゴを年間通して食べられる。町役場で二十六日、採れたてのイチゴを食べた山口昇士町長は「町内にイチゴ農家はない。特産品に」と期待した。 (西岡聖雄)

 このイチゴは信州大が開発し、二〇一一年に品種登録された「信大BS8−9」。園内のビニールハウス(三百平方メートル)に四月、千五百株を植栽した。自動散水ではなく、葉の様子を見ながら水をやり、湿度管理も徹底するなど高山植物栽培で培ったノウハウを生かしている。

 「箱根りりか」と命名したイチゴは今月から一日二〜四キロ収穫し、園内の売店で販売している。連日午前中に完売する人気だ。

 JAかながわ西湘によると、県西地域の農家が冬に出荷するイチゴは一季なりで糖度は一〇〜一五度。箱根りりかの糖度は一季なりに近い一三度。イチゴは夜間の気温が高いと糖分を消費して甘みを失うが、標高六五〇メートルの園内は夜に冷え込む分、甘さが保たれるという。

 園を運営する「箱根観光施設」の窪澤圭社長(47)は「冬場はさらに甘みが増し、収量もアップする。軌道に乗ればハウスを増設し、冬期は閉園する園の通年営業、町内の飲食店に提供する地産地消も考えたい」と話す。

 園の来園者はピークの一九九六年度(五十五万五千人)から減り続け、昨年度は十万一千人。来園者が少ない梅雨などの集客策として四季なりイチゴの新品種に着目した。大野悟支配人(54)は「イチゴをPRし、若い女性や子どもの来園を増やしたい」と意気込む。

 箱根りりかは十個前後入った一パックが五百円。入園料は中学生以上七百円、小学生四百円(土日祝日は小中学生無料)。問い合わせは湿生花園=電0460(84)7293=へ。

 

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