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保育所、年収300万円以下が半数 専大ゼミが市内316施設アンケート

神奈川

2018年6月16日

調査結果を説明する(前列左から)江崎さん、伊藤さんら=市役所で

 川崎市多摩区にキャンパスがある専修大学の経済学部・兵頭淳史教授(社会政策)のゼミが十四日、市内の認可保育所で働く保育士ら職員に、労働環境について尋ねたアンケートの結果を公表した。約半数が年収三百万円以下で、七割以上が賃金が安いと感じているという。報告書は「全体として厳しい労働条件。人員不足が働く人々に痛感され、疲弊をもたらしている」と指摘している。 (大平樹)

 調査は、保育士、看護師、栄養士などの職員が対象。昨年八〜九月、市内の認可保育所三百十六園に質問用紙を送り、八十二園の七百七十二人から回収した。年収で最多の回答は「二百万〜三百万円」で34・4%。「百万〜二百万円」(14・9%)と「百万円未満」(5・0%)を合わせると約半数を占めた。二番目に多かったのは「三百万〜四百万円」の17・7%。

 自分の賃金水準をどう思うか、という設問には、「やや低い」が40・6%で最多。「低すぎる」が33・0%で続いた。「適当」は23・3%。「やや高い」と「高すぎる」は合わせても2%に満たなかった。

 勤続年数が公立保育所は長く、公設民営など民間が運営する保育所では短い傾向も浮き彫りになった。

 同日、市役所で会見した前ゼミ長で四年の江崎麻衣さん(21)は、回答に添えられた手紙に「運営会社から、答えるな、と言われた」と書かれたものもあったことを明かした。その上で国や市に「労働の現状を把握し、安心できる保育制度を進めてほしい」と求めた。

 調査と報告書の作成には、同ゼミの二十七人(二〜四年)が参加。前副ゼミ長で四年の伊藤大晃さん(21)は「大卒初任給と比べて給料が安く、家族を養うのは難しいのではないか」と話した。

 ゼミと共同で調査した市民団体「川崎市保育問題交流会」によると、市内の保育士の労働環境をまとめた調査は前例がない。代表の川岸卓哉弁護士は、市に調査結果を伝えて処遇改善への理解を求めるという。

 

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