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部活時間確保へOB教員が助っ人 横浜・立野小、教員の負担軽減策受け

神奈川

2018年6月15日

池野さん(左)の指導を受ける立野小の金管バンド部員=横浜市中区で

 教員の負担軽減策の導入に伴い、活動時間が削減された横浜市立立野小学校(中区)の金管バンド部の指導を本年度から、同校のOB教員が担うことになった。前身を含め五十年超の歴史を持つ同部は全国大会で上位入賞を重ねるなど、「立野小の象徴」といわれる。従来以上に練習に打ち込めるようになり、関係者は「伝統をつなぐことができて良かった」と胸をなで下ろしている。 (志村彰太)

 「ここは速いテンポの方がかっこいい」「最後の部分は強く伸ばして」。土曜日の同校音楽室。来月二十六日の吹奏楽コンクール県大会に向けて練習に励む四〜六年の部員四十五人を、元音楽科教員の池野功(つとむ)さん(67)が指導していた。

 同部は約三十年前、当時同校で勤務していた池野さんが、昭和三十年代からあった鼓笛隊を改組して創設した。平日朝と土曜午前に練習があり、複数の教員が交代で指導。卒業式で演奏するなど、学校生活に欠かせない存在になっていた。

 しかし近年、教員の負担増が問題になり、学習指導要領に記載がなく任意で行う部活動は業務削減の対象になった。同部も二年前に朝練を週三回に減らし、今年一月には、本年度は朝と土曜の練習をなくし、放課後の週二回だけにすると決めた。石橋孝重校長(62)は「教員の半数近くが月八十時間超の残業をしており、使命感だけで部活を見るのは難しい」と説明する。

 そこで、部継続に危機感を覚えた卒業生と保護者が、後援会をつくって支援しようと行動を開始。池野さんに声を掛け、平日朝と土曜午前を池野さん、週二回の放課後練習は同校教員が指導するようになった。

 教員の負担軽減に伴う部活動の見直しは全国的な傾向。政令市では名古屋や熊本の教育委員会が、小学校は全面的に外部講師が指導する検討をしている一方、横浜市教委は各校に対応を任せている。後援会事務局の本間いずみさん(46)は「後援会だけで支えるのは不安もある。学校や教育委員会が支援してくれれば」と語る。

 「ブラック部活動」などの著書がある名古屋大の内田良准教授(教育社会学)は「学校任せでなく教委が関与し、安全対策や事故発生時の責任の所在などを明確にしないとトラブルの元になりかねない」と課題を指摘。その上で、立野小の取り組みを「教員の負担軽減と部活の存続を両立させる新しい在り方」と評価した。

 

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