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主婦から役者、初の演出へ 8日から川崎区で公演

神奈川

2018年6月3日

出演者に指示を出す人見さん(左)=川崎区で

 主婦だった女性が役者歴十年を経てアマチュア劇団の舞台演出を手掛けることになった。川崎市中原区の公益財団法人「かわさき市民活動センター」職員の人見雅子さん(57)で、「思い描いた世界をつくれる」と演出の妙味を語る。 (小形佳奈)

 「ちょっと止めます」「もう少し盛り上がりが欲しいの。せりふをポンポン詰められる?」

 川崎区を拠点に活動する「劇団企てプロジェクト」(別府寛隆さん主宰)のけいこが五月三十一日夜、区内の劇場で行われ、人見さんが役者たちに声を掛けた。六月八日からの公演に向けた仕上げの段階。自らも出演する。

 人見さんは職場では、市民活動グループ向けの相談や助成金の受け付けなどを担当しており、仕事を終えてけいこ場に駆けつける。役者が演出担当の言いなりにならず、話し合いながら作り上げていくのが「企て流」と人見さん。

 結婚後、東京から夫の実家がある幸区に移り住んだ。第二子の入園をきっかけに「外に出たい」と、外国人向け日本語教室のサポートボランティアを経て、市内の文化振興関連のNPO法人の職員に。法人が運営していた小ホール「ラゾーナ川崎プラザソル」の技術スタッフで、川崎区に小劇場を開いていた別府さん(63)に出会い、二〇〇八年、母親役で初舞台を踏んだ。

 観劇や演劇ワークショップで研さんを積み、「怒りが膨らんで行く様子を拳の握り方で見せるなど、せりふを読むだけではない表現ができるようになった」と話す。

 今回の公演は、純喫茶のマスターと客が織りなす四季の物語から、街に劇場がある豊かさを描くオリジナル作品「フォーシーズンズ」。別府さん自身が小劇場の運営に奔走してきた十五年間の苦労を重ねているという。

 人見さんは四場面あるうちの一場面の演出を担当。劇作家岸田国士の短編戯曲「紙風船」をアレンジした台本を、昨年十二月から二カ月かけて書き上げた。

 「人と人とのぶつかり合いを目の前で見られるのが演劇の良さ」と人見さん。「たとえセットがない空間でも、演技で世界を見せられる舞台が目標」

 公演は、川崎H&Bシアター(川崎区新川通一一の一七)で、六月八日夜、九日昼夜、十日昼の四回。一般二千五百円、小学生〜高校生千五百円。舞台芸術のポータルサイト「CoRich(こりっち)」から予約できる。

 

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