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性差超え 自分らしく 映画「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」あす公開

放送芸能

2018年7月5日 朝刊

 一九七三年、男性優位社会に一石を投じた女子テニス世界王者ビリー・ジーン・キングの実話を描いた「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」が六日、公開される。監督は「リトル・ミス・サンシャイン」(二〇〇六年)のジョナサン・デイトン、バレリー・ファリス夫妻。両監督は「まず彼女自身の中で変革があり、それが世界に影響を及ぼす運動になった。彼女の最初の物語に引かれた」と明かす。 (猪飼なつみ)

 ビリー・ジーンを演じるのは「ラ・ラ・ランド」で昨年のアカデミー賞主演女優賞に輝いたエマ・ストーン。ビリー・ジーンは全米選手権の女子の優勝賞金が男子の八分の一であることに異を唱え、全米テニス協会を脱退、女子協会を立ち上げる。元男子世界王者のボビー(スティーブ・カレル)は自らを「男性優位主義の代表」として試合を申し込む。

 ビリー・ジーンは、男女平等を訴える陰で、自らの性的指向についても葛藤。後に社会変革を求める運動家となり、同性愛者であることを公表する。両監督は実際にビリー・ジーンに会い「自分らしく生きることの大切さを若い人に伝えてほしいと言われた」と話す。

 その思いにテニス未経験のストーンも全力で応えた。四カ月の特訓で肉体改造し、筋肉を七キロ増量。ファリス監督は「撮影中、エマは常にビリー・ジーンその人で、完全に役に入り込んでいた」と驚く。

 クランクインは二〇一六年の米大統領候補予備選挙の最中で、ヒラリー・クリントン氏が注目されていた。「もしクリントンさんが大統領になっていたら、この映画を見る人の気持ちはもっと希望に満ちていたと思う。一九七〇年代よりは男女平等も性的少数者(LGBT)の問題も受け入れられやすくなったけれど」とデイトン監督。ファリス監督も「いろいろな国で話を聞いて、まだまだ男女差別を感じる。ただ(セクハラを告発する)『#MeToo(ミートゥー)』運動のように、今は目覚めの時期なのだと思う」という。

 夫婦で映画を撮り続けている両監督。映画製作に関してバトルはあるのか問うと、デイトン監督は「もちろんあるけど、それよりも僕らはチームとして外と戦わなければならない。彼女は強いから頼もしいよ」と笑う。「あなたって本当にうまく言うわよね」とファリス監督も笑顔を見せた。

◆性的少数者テーマの映画祭 東京・表参道で開幕

 性的少数者をテーマにした映画祭「レインボー・リール東京 東京国際レズビアン&ゲイ映画祭」が7、8日と13〜16日に東京・表参道で開かれる。

 27回目となる今年は英国インディペンデント映画賞受賞の「ゴッズ・オウン・カントリー」など、国内外の21作品を上映。日本作品は、ろう者のレズビアンカップルを描く「虹色の朝が来るまで」など。日本の短編作品6本の中から観客賞を決める「レインボー・リール・コンペティション」や、アジア・太平洋地域の中・短編4本をまとめて上映するプログラムもある。

 会場は7、8日が東京ウィメンズプラザホール、13〜16日がスパイラルホール。チケットは前売りが1プログラム1400円(当日券1700円)、フリーパス1万3000円(同1万5000円)など。

 

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