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韓流新世代 若者ぞっこん、第3波の予感

放送芸能

2018年6月17日 朝刊

「完璧さ」よりも「身近さ」「親近感」をアピールするGFRIEND=東京・ 豊洲で

 韓国ドラマ「冬のソナタ」(2003年)に始まる第1次韓流ブーム、東方神起やKARAの第2次ブーム(10〜12年)に続いて、新たに第3次ともいわれるブームが起きている。日韓の歴史問題や国際政治に左右され、盛り上がっては消えていった韓流ブーム。ところが、今の人気を支えるのは歴史や政治を気にしない10代、20代の若者たち。新たな日韓友好の萌芽(ほうが)となるか。 (砂上麻子)

 「かわいい」「サランヘヨ(愛している)」−。

 先月二十三日に東京・豊洲で行われた韓国の六人組女性グループ「GFRIEND(ジーフレンド)」の日本デビュー記念ライブ。小雨が降る中、メンバーの名前を書いたうちわを持ったファン千五百人が歓声を上げた。都内の高校三年生の女性(17)は「ダンスも上手。髪形やメイクもまねしたくなる」と魅力を語る。

 GFRIENDは韓国で一五年にデビュー。韓国では、昨年末のNHK紅白歌合戦に出場した「TWICE(トゥワイス)」にも並ぶ人気だ。

 「TWICEやBTS(防弾少年団)の成功でK−POPへの関心は高まっている」と話すのは雑誌「K−POPぴあ」編集長の島川真希さん(47)。BTSは一三年に韓国デビューした七人組の男性グループで、一四年に日本デビュー。先月末には米ビルボード・アルバムチャートで一位を獲得するなど、世界的な人気となっている。島川さんは「レベルの高いダンスや歌唱力、世界の音楽トレンドを押さえた楽曲などK−POPは洋楽の一ジャンルとして認識されている」と評価する。

 先月三十日には十三人組の男性グループ「SEVENTEEN(セブンティーン)」、今月十三日には九人組の女性グループ「MOMOLAND(モモランド)」が日本デビュー。K−POPグループの上陸は今後も続きそうだ。

 そもそも日本における韓流ブームは一二年八月、当時の李明博大統領が日本海の竹島(韓国名・独島)に上陸し、日韓関係が急速に冷却したことで終焉(しゅうえん)したとされる。その後もソウルの日本大使館前に従軍慰安婦像が設置され、関係はさらに悪化。劇的な改善は見られないまま、今回のブームはなぜか。

 韓国文化に詳しいライターの桑畑優香さん(49)は「韓国ドラマにはまった祖母や母親の影響で幼い時から韓国カルチャーを身近に感じている世代が、日韓の歴史や政治を意識せず、K−POPは格好いいと聴いている」と解説する。

 過去の韓流を支えていたのが主に三、四十代以上の中高年女性だったのに対し、今回は小中学生を含む十代、二十代のファンが増えているのも特徴だ。

 「今の若者はスマートフォンさえあれば手の中で韓国の情報を得ている」と語るのは、WEBマガジンで日韓の若者文化を紹介する女子大生ライターもーちぃさん(19)。K−POPだけでなくアイドルのファッションやメイクをまねする子も多いといい「かわいいなら国は関係ない」。

◆GFRIEND 日本への愛語る

 韓国では親しみの持てる外見とパワフルなダンスで人気を集めるGFRIEND。リーダーのソウォン(22)、イェリン(21)、ウナ(21)、ユジュ(20)、シンビ(20)、オムジ(19)に日本への思いを聞いた。

−日本デビューライブはどうだった?

 オムジ 雨が降る中、たくさんのファンが来てくれてうれしかったです。

 イェリン 雨にぬれて待っていてくれて感動しました。

 シンビ ファンに会えて実感が湧きました。この時のために準備してきたので期待してください。

−日本のファンの印象は?

 ソウォン 恥ずかしそうな姿が印象的です。両手を合わせて応援してくれる方が多い。韓国のファンは大声で叫んで応援してくれますが、日本は歌に耳を傾けてくれるみたいです。

 ウナ 韓国で活動している時から私たちの動画に日本語で「会いたい」というコメントを残してくれる人がたくさんいて、関心を持ってくれていると感じていました。

−日本語は難しい?

 ユジュ 韓国で日本語のレッスンを受けていますが、発音が難しいです。

 オムジ 韓国デビュー前から少しずつ日本語の勉強はしていました。日本デビューが決まって、単語を増やそうと頑張っています。

−K−POPが世界的に注目されている。

 ソウォン デビュー前から厳しいレッスンを重ねてきて、完成度の高さはアピールポイントだと思います。台湾やシンガポールなどをツアーで回りましたが、多くの国で歓迎されていると実感しました。

−日本でも多くのK−POPグループや歌手が活躍している。

 ソウォン 日本で活躍する先輩たちを誇らしく思います。それと同じくらいK−POPを愛してくれる人がいることにも感謝しています。

◆目指せ完コピ ダンススクール人気

 ブームを受け、K−POPの振り付けを教えるダンススクールも増えている。

 東京都目黒区のダンススタジオ「Cielo」は、K−POP専門のダンススクールとして2011年開校。プロのダンサーが東方神起や少女時代、TWICEやBTSなど人気グループの楽曲の振りを完全コピーできるよう指導する。当初は月2、3回だったレッスンも口コミで評判が広がり、今では月40回に拡大。生徒の8割は20〜30代の女性だが、半年ほど前から小中学生の参加が増えている。

 代表の町田真吾さん(38)は「K−POPは最新のダンスを取り入れている曲が多い。韓国に興味がない人でも、曲が格好いいので踊りたいという人も少なくない」と話す。

 今月4日夜のレッスンではTWICEのヒット曲「What is Love?」に合わせて、小学生を含む17人の生徒が軽やかにステップを踏んでいた。3年前から月4、5回通っている会社員の田中歩実さん(28)は「K−POPの曲はまねしたくなる振りが多く、踊っていて楽しい」と笑顔で汗をぬぐった。 

 

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