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小さな家 彩る愛 カナダ人画家の実話 映画化 ウォルシュ監督

放送芸能

2018年3月1日 朝刊

「小さな家での撮影は5人も入ればぎゅうぎゅうだった」と話す監督=東京都中央区で

 人生を彩るような愛らしい絵を描き続けたカナダ人画家モード・ルイス(1903〜70年)の実話が映画になった。3日公開の「しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス」のアシュリング・ウォルシュ監督(59)は「あまり知られていないアーティストとしてのモードと、彼女と夫のエベレットのすてきな絆を知ってほしい」と語る。(猪飼なつみ)

 モード役を演じたのはサリー・ホーキンス。一日に公開された「シェイプ・オブ・ウォーター」で米アカデミー賞主演女優賞にノミネートされていて、本作ではまた違う魅力を見せる。

 ウォルシュ監督は「もともとサリーは親しい友人で、私が書いた脚本は必ず彼女に読んでもらう仲。この作品は私の脚本ではないけれど、読んですぐに彼女をイメージした」と明かす。モード役を依頼すると、ホーキンスは脚本を読む前に引き受けてくれたという。

 モードとエベレットが実際にカナダ・マーシャルタウンで暮らした四メートル四方の小さな家は、美術館に移設展示されている。壁や窓が絵で埋め尽くされ、監督は「モードの最高傑作」と評す。

 映画では家の中が少しずつ彩られていく様子が再現され、二人の仲が深まっていく過程を表している。「実物は完成形しか残っていないので、どう描いていったのかは想像するしかない。二人のどの段階でどこまで描くか、すごく悩んだ」。映画の中で、モードは最初に木とニワトリを描く。「モードは身の回りの自然からインスピレーションを得ていることを見せたかった」と話す。

 撮影は実物と同等の大きさの家を屋外に再建した。「スタジオで撮影する案もあったけれど、モードは周囲の自然を大切にしていたし、役者も風景がある方が自然と反応できると思った」。広大な自然の中にポツンと存在する二人が印象的で、モードの絵の世界観に通じるものがあるという。

 映画用に描かれたモードの絵の複製や小道具など約四十点が、十三日までカナダ大使館(東京都港区)に展示されている。

◆あらすじ

 子どものころから重いリウマチを患うモード(ホーキンス)は両親を亡くした後は、一族からも厄介者扱いされていた。魚の行商をする孤独なエベレット(イーサン・ホーク)が出した家政婦の募集に応じ、住み込みで働き始める。同居生活はトラブル続きだったが、徐々に互いを認め合って結婚。わずか4メートル四方の家でつつましく暮らしながら、モードは壁や板に夢中で絵を描き、やがて評判になっていく。

 

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