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飲むほどにあふれる愛 映画「ウイスキーと2人の花嫁」

放送芸能

2018年2月22日 朝刊

ギリーズ・マッキノン監督

 スコッチウイスキーを生んだスコットランドから、ウイスキー愛にあふれたコメディー映画が上陸した。第二次世界大戦中の実話を基に一九四九年に製作された白黒映画をリメークした「ウイスキーと2人の花嫁」。地元出身のギリーズ・マッキノン監督(70)は「家族の関係や、島ならではの近しいコミュニティーの感覚を加えて新たに描きたかった」。郷土愛というエッセンスが味に深みを与える。 (猪飼なつみ)

 原題は「WHISKY GALORE!」(「たっぷりのウイスキー」の意)。スコットランド北西部の島で四一年に起きた海難事故をモデルに書かれた小説が原作で、四九年製作のオリジナル版は日本未公開。監督は「スコットランドでは多くの人が見ているし、もちろん僕も昔見たけれど、とても愉快でチャーミングな映画」と紹介する。

 戦争が始まり、島民にとって生活に欠かすことのできないウイスキーの配給が止まり、島民は無気力に陥ってしまう。島の顔役でもあるジョセフ(グレゴール・フィッシャー)は、長女と次女が連れてきた婚約者が気に入らない。そんなとき、米国向けに大量のウイスキーを積んだ貨物船が島の近くで座礁。貨物船が沈む前に、ジョセフは「ウイスキーがなければ結婚はない」と婚約者にも協力させ、島を挙げてウイスキーの回収に乗り出す。

 本作で、マッキノン監督はオリジナル版で家の中に閉じこもってばかりいた女性を生き生きと活躍させた。「七十年前の映画だから古くさいところもあったからね」

 監督はウイスキーについて「友達といるときや社交の場では必ず飲むし、気持ちが自由になるお酒。ウイスキーの中に何か秘密があると思うくらい」と魅力を説く。その力を借りて、役者たちとの関係を築いた。「実際に小さな島のような共同体ができたらいいと思って、日曜の夜になると撮影したパブに集まって一緒にウイスキーを飲んだ。ギターを弾きながら、みんなで歌ってね。たくさん飲んだよ」と明かす。

 物語後半では、ウイスキーを押収しようとする堅物のワゲット大尉(エディ・イザード)たちに対抗し、島民は協力して島中にウイスキーを隠し応戦する。

 島民の息の合った様子と隠し場所のアイデアが笑いを誘う。「どこに隠すかは実際にロケする島を見ないと分からなかったから大変だった。島中を歩き回って、すごく時間がかかった」と笑顔を見せる。

 「イギリス人向けに作ったわけではない。日本の皆さんにも、きっと楽しんでもらえると思う」とPRした。

 

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