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<学校と新聞>「新聞会議」は「NPC」 AIの議論 迷走…気付きへ

NIE

2018年6月26日

人工知能(AI)の記事を読んで議論する「NPC」の生徒たち

 前回、スマホをめぐる新聞記事を読んで白熱の議論を繰り広げた生徒たちに放課後、再び集まってもらいました。「会の名称は『新聞会議』でどう?」と私が言うと、「ダサい」「カッコ悪い」とブーイングの嵐。遥さんが「Newspaper  Conference! 略してNPC」と大きな声で提案。「いいね」「カッコいい」と満場一致で決定しました。

 今回は真奈さんが選んだ「日本高齢化『先進国』」(読売中高生新聞、四月二十七日)と、拓音(たくと)くんが選んだ「バーチャルタレント『キズナアイ』」(日経MJ、三月二日)の記事二本を読み、話し合いました。

 遥さんは「人工知能(AI)が仕事を奪うとあったが、人間の力でそれを防ぐこともできるのでは」と主張。「私たちの将来にAIがどう関わるかが問題。正直、キズナアイの記事は分からなかった」と真奈さん。「私も」と麗華さん。

 「キズナアイはAIではなくVR。キャラに声優が声をつけている」と拓音くんが解説します。「でも記事にAIって書いてある」と玲愛(れあ)さんが鋭い指摘。遥さんは「AIが人間と同じ感情を持つのは無理」と主張します。「人間にしかできないこともある。生の体験は人間の大きな財産」と麗華さん。迷走する議論を「これはこれで面白い」と私は黙って聞き続けます。

 「AIの手術の成功率が人間を上回っても、私は人間に手術してほしい」と遥さん。「私は成功率が高い方」と真奈さん。「AIが人間以上のことをできるのは良いこと」と言う拓音くんに「頼りすぎると人間の問題解決能力が低下する」と麗華さんが反論。みな自分の皮膚感覚で話ができずモヤモヤしています。

 「難しい」。玲愛さんのつぶやきに皆うなずきます。私が「なぜそう感じるのかな」と一言。しばし沈黙の後、麗華さんが「身近じゃないから」。「AIの知識も足りない」と真奈さん。「よく気付いた」と私は内心ほくそ笑みます。

 「皆の意見が聞けてよかった」「考えもつかないことを教えてもらえた」「難しいけど楽しかった」。この前向きさが彼らの良さです。私も大いに学ばせてもらいました。(公立中学校主任教諭・穐田剛)

 

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