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<知りたいコトバ 知っている?言葉>はしり

NIE

2018年6月5日

 梅雨入り前にぐずつく空模様を「梅雨のはしり」と呼びます。はしりとは物事の先駆け、または茶や野菜などの初物、いわゆる「はしりもの」のことです。例えば新茶の季節の中でも最初に出回る茶の葉は大はしりと呼ばれ、高値がつきます。初ガツオも昔から知られていました。

 語源は二説あります。大言海などが示すのは、ウサギやシカなど野山を走る動物(走りもの)からという説です。

 平安後期の「今昔物語集」には、年始の走りものを生かしておいて食べないのは縁起が悪いと話す者が出てきます。当時あったと伝わる、走りものを年頭に食する習わしとの関係で初物を指すに至ったということです。

 対して国語語源辞典は、先駆けや初物をいうはしりをアイヌ語「アシリ」の変化と考え、走る動物説に異を唱えています。アシリは新しいという意味です。

 正否はともかく、北海道各地には新しい村をいうアシリコタンと称するアイヌ語地名があり、中にはアシリの変化と思われる走古丹(はしりこたん)という所があるのです。 (重松洋一)

 

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