XMenu

<学校と新聞>帆飛くんのスクラップ帳 楽しみながら「先取り学習」

NIE

2018年5月22日

新聞スクラップに取り組む帆飛くん

 「先生、これお願いします」と渡された一冊のノート。新聞記事のスクラップ帳でした。「個人的にやってみようと思いまして」と帆飛(はんと)くん。私は、現在の学校に赴任して以来必ず、担当する学年で輪番制の新聞スクラップを生徒にやらせます。一度担当すると、次の当番は一カ月後。それが待ちきれないのか、あるいは新聞そのものに興味をもったのか、両方か。いろいろと思いを巡らせた私が帆飛くんに言ったのは「すごくいい。できれば、毎日やってみようよ」というむちゃな言葉でした。

 帆飛くんは特に動揺もせず「わかりました」と答えました。それから二年。毎日続け、スクラップ帳は五冊目に。記事も二百本を超えました。

 選ぶ記事は科学や歴史、生物と彼の興味がある分野が多いですが、「葛飾生まれPR モンチッチ走る」のように、読んでほっこりする記事もあります。モンチッチをあしらったバスが葛飾区内を走るという内容ですが、感想に「野球の練習に行く途中に見かけました。友達にもこのことを伝えます」とありました。毎回、私もコメントを添えて返します。この日は「記事自体とても面白いので、記事のことも友達に伝えてください」と書きました。

 帆飛くんが選ぶ記事はいつも面白いので、放課後、図書館に現れた彼に「記事はどうやって選ぶの」と聞いてみました。「自分で興味を持ったものです。特に写真や図に注目しています」「保育士の母の仕事に関係のある記事も探しています。分からないことは質問もします」とのこと。

 「スクラップを続けて良かったことは」と尋ねると「社会科の授業でまだ学習していなくても、新聞で読んだことを教科書や資料集で見つけるとうれしくなります」。まさに先取り学習です。なぜ続けられるのか聞くと「記事を貼って感想を書くこと、それが積み上がっていくことが楽しいからです」と返ってきました。楽しいと思えること自体が素晴らしいです。

 今後がますます楽しみになる放課後のひとときでした。帆飛くんは明日もきっと、「先生お願いします」とスクラップ帳を手に現れることでしょう。(公立中学校教諭・穐田剛)

 

この記事を印刷する