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<知りたいコトバ 知っている?言葉>北帰行

NIE

2018年2月13日

 「白鳥の北帰行(ほっきこう)」は、この時季の風物詩で新聞でも取り上げられます。シベリアなどから日本に渡ってきた白鳥が、春が近づくとまた帰って行くことです。鶴などにも使うようですが、「北帰行」は辞書にはないことばです。

 白鳥や鶴は冬の季語ですが、「北帰行」は歳時記にもありません。そもそも「帰行」が辞書にありません。漢字の意味をみると「帰って行く」と読める一方、「帰る」と「行く」という反対の意味の漢字で構成された熟語ともいえます。それに方角を示す「北」が付いた不思議なことばです。

 一説に、五十数年前にヒットした小林旭さんらの「北帰行」という歌に関係する、というのがあります。さらにそのもとになった歌は、宇田博さん作詞・作曲の旧制旅順高等学校の愛唱歌で、この歌から生まれたことばではないか、というのですが、はっきりしたことは分かりません。

 よく使われるのに辞書にないことばは、他にもたくさんあると思います。謎めいたことばだからこそ、その成り立ちに興味が湧きます。 (浴野裕)

 

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