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全国学力テスト 英語の予備調査問題を公表

教育ニュース

2018年6月1日

◆文科省「書く・話す」重視

 文部科学省は三十一日、「全国学力・学習状況調査」(全国学力テスト)で二〇一九年度から三年に一度、中学三年全員を対象に英語が導入されるのを前に、課題検証のために実施した予備調査の問題を公表した。出題では「読む・聞く・書く・話す」の四技能全てを網羅。中でも日本の生徒の課題とされる「書く・話す」の発信力を重視し、実生活でのさまざまな場面から、自分の考えや気持ちを伝える力があるかどうかなどを試した。

 予備調査は五月、全都道府県、政令指定都市の百三十六校を抽出して実施。「読む・聞く・書く」のテストは四十五分で行い、「話す」についてはパソコンで動画などを見てから生徒の英会話をマイクで録音する方法で十五分程度で行った。範囲は中二までの学習内容で、難易度は英検四級相当。文科省の委託を受けた業者が採点。文科省は「問題を参考に学校での授業改善に生かしてほしい」としている。

 予備調査問題は、研究者や現職教員らで作成。学力テストの他教科のように基礎的知識を問うA問題と、知識の活用力をみるB問題とには分けておらず、「読む」「聞く」が大問それぞれ四問で、「話す」三問、「書く」二問。生徒の理解度に関するアンケートも同時に実施した。

 また、英会話を聞き取って自分の考えを話したり、英文を読み取って考えを書いたりするよう求めるなど、各技能を組み合わせて使う力も問われた。部分点は設けず、ささいなミスがあっても言いたいことが伝われば正答とみなすという。予備調査やアンケートの結果も踏まえ、来年度のテストの作問に取り組む。

 予備調査の対象校は主に、一学年三百人以上の大規模校や特別支援学校、離島の学校などで、来年度の本番でテストを円滑に実施するのに支障がないかを分析した。対象校が少ないため結果は公表しない。浮上した課題は今後、専門家会議で検証する。学力テストは小六と中三の全員を対象に毎年、実施している。

◆場面想定 表現力を問う

 「読む・聞く・書く・話す」の四技能が問われた全国学力テストの英語予備調査。英語を使う場面を想定し「会話を聞いて即興で質問する」「他人の考えを読み自分の意見を書く」など、各技能を組み合わせて答えさせる複合型も出題された。

 パソコンを通してやりとりする「話す」分野の問題では、画面上にリチャード先生と友人のナオミが表示され、解答者を加えた三人で会話をしている設定。先生と友人の会話を踏まえ、流れに沿って質問ができるかをみた。

 行きたい国として「米国、オーストラリア、中国」を挙げた先生は、理由を問う友人に米国とオーストラリアについてのみ説明。その後、友人は画面越しに解答者の方を見て「ほかに聞きたいことは?」と尋ねる。

 正答例は「中国に行きたいのはなぜ?」で、米国やオーストラリアについてさらに詳しく質問しても良い。問題を作成した国立教育政策研究所(国研)の担当者は「即興でその場に適した質問をする力が求められている」と話した。

 「聞く」では「学校を離れ帰国するマイク先生に何をしてあげたいか」との英語の説明を理解し、自分なりの提案を一文以上の英文で簡潔に書くよう求めた。「読む」では、動画と写真のどちらが思い出を残すのに適しているかに関する英文を読み、自分の意見を記す問題も。いずれも、複数の技能を組み合わせることが必要とされる。「読む」ではほかに、英文のホームページを見て、必要な情報を取り出せるか試した問題もあった。

 「書く」では、日本を初めて訪れる外国人観光客にお薦めのお土産を、三十語以上の英語を使って理由も含め紹介する出題があった。国研の担当者は「どんな英文構成や表現にしたらより伝わるのか考える力を問うた」としている。

 

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