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強まる対日圧力、政府警戒 米が強引な市場開放迫る恐れ

経済

2018年9月9日 朝刊

 トランプ米大統領が、対日貿易赤字の削減を狙って日本に対する圧力を強めてきた。日本政府内では、九月下旬に予定される日米首脳会談が近づく中、成果を焦るトランプ氏がけん制してきたとみて、警戒感を高めている。

 「トランプ節が出てきたな」。政府関係者は八日午後、高圧的な言葉で日米間のディール(取引)を有利に進めようとするトランプ氏の七日の発言に身構えた。

 日米両政府は八月上旬に閣僚級の貿易協議の初会合を開いた。牛肉など農作物の市場開放を狙って二国間の自由貿易協定(FTA)を求める米国と、環太平洋連携協定(TPP)への米国復帰を目指す日本との間に主張の隔たりがあり、協議は折り合わなかった。

 次回会合は、九月下旬の首脳会談の直前に開かれる見通しだ。十一月に中間選挙を控えるトランプ政権は、自動車へ高関税を課す「脅しのカード」をちらつかせ、日本に強引な市場開放を迫ってくる恐れがある。

 一方の日本側は、基幹産業である自動車の追加関税は「現実となれば大きな影響があり、受けられない」(外務省幹部)。米国が求めるFTAについても、日本国内の農家に大幅な譲歩を迫られる懸念が強まっており、来夏に参院選を控える中で交渉入りには応じない構えだ。

 日本企業による米国投資の拡大などをアピールする方針だが、米国が強硬姿勢を緩める見込みは薄く、協議が手詰まりとなる可能性がある。交渉関係者は「トランプが支持者にアピールでき、日本側ものめる『合意』をなんとか仕上げないといけない」と話す。日本政府は米国と事務レベルの協議をぎりぎりまで重ね、摩擦を回避する方策を探っていく。 (矢野修平)

 

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