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スルガ銀会長ら5人辞任 組織不正横行を認定

経済

2018年9月8日 朝刊

不適切融資について頭を下げるスルガ銀行の有国三知男社長=7日、静岡県沼津市のホテルで

 スルガ銀行は七日、シェアハウス投資を巡る不正融資問題で、外部弁護士で構成する第三者委員会の調査報告書を公表した。元専務執行役員を中心に融資の審査書類を偽装する組織的不正が横行していたと認定。「極端な法令順守意識の欠如が認められた」として、企業統治の機能不全を厳しく指摘した。岡野光喜会長(73)や米山明広社長(52)ら常務以上の取締役五人が同日付で引責辞任し、米山氏の後任に有国三知男取締役(52)が就任した。会長職は空席となる。

 外部から経営トップを招くハードルは高く、不正融資問題との関わりが薄いとされる有国氏を内部昇格させ、難局を乗り切る方針とみられる。

 静岡県沼津市で記者会見した第三者委の中村直人委員長は「無責任な営業推進体制をつくった」として経営責任を追及した。不正融資の総額や件数は「調査が困難で、推定を断念した」と述べた。

 スルガ銀は社外監査役を中心とする「取締役等責任調査委員会」を設置すると発表した。辞任した会長らの責任の有無を判断して法的措置を講じる。第三者委は会長らが不正を知っていた証拠はないとしながらも、取締役としての注意義務違反を認定している。

 不正融資にまい進したのは麻生治雄元専務執行役員で、審査部門をどう喝して融資の稟議(りんぎ)を押し通し、承認率は99%を超えていた。代表的な不正は、預金残高を水増しして返済余力があるように見せかける手口だ。物件価格を実際より高くした売買契約書を作り、物件価格の90%を上限とするスルガ銀の基準を上回る融資を引き出す手法も相次いだ。不動産融資と無担保ローンの抱き合わせ販売も常態化していた。

 スルガ銀は融資の焦げ付きに備えた貸倒引当金の大幅な積み増しを迫られる可能性が高く、業績の一段の悪化が懸念される。記者会見した有国氏は「中間決算に向けて自己査定を実施しており、必要があれば貸倒引当金を積む」と説明。他の金融機関との合併や提携は「現状では考えていない」と述べた。

<有国 三知男氏(ありくに・みちお)> 立教大卒。89年駿河銀行(現スルガ銀行)。経営企画部キャスティング部長などを経て、16年6月から取締役。52歳。静岡県出身。米山明広社長は退任。7日就任。

 

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