XMenu

ヤマト 不正組織ぐるみ 過大請求問題 引っ越し受注休止

経済

2018年9月1日 朝刊

 ヤマトホールディングス(HD)は三十一日、子会社ヤマトホームコンビニエンス(東京)による法人向け引っ越し代の過大請求問題で、調査委員会の報告書を公表した。「悪意」による意図的な水増しが確認され、一部で組織ぐるみの関与も認めた。商品の再設計が終わるまで個人向けを含む全ての引っ越しサービスの新規受注を休止する。ヤマトHDの木川真会長や山内雅喜社長ら幹部五人は役員報酬の一部を自主返上する。

 過大請求額約十七億円のうち、採算性を上げるなどの動機で意図的に水増ししたケースは約16%(約二億七千万円相当)になると推計。歴代の子会社社長らを降格や減俸処分とした。判明した過大請求分は顧客に返金する。調査委は二〇一〇年ごろに過大請求が始まったとの認識を示した。

 過大請求は荷物の量に応じて料金を算出する商品で発覚。報告書はこうした商品の設計不備を批判したほか、原因について内部監査や会社の組織体制に重大な不備があったと指摘した。加えて引っ越し子会社は他のグループ会社と比べて処遇が低く、社員の定着率や士気は「高いものではなかった」という背景も挙げた。

 約十七億円の過大請求は一六年五月から今年六月末までの間、計約四万八千件で確認された。意図的な水増しの動機は採算性向上のほか、社員が成約に応じた報酬を多く得ようとしたり、繁忙期に受注をあえて避けたりするためだったとした。

 高知支店では今年、支店長や見積もり担当社員が一体となり水増しに関与し、四国統括支店長も黙認していた。四国以外に東北、東京、関西、九州の四つの統括支店で、支店長が意図的な水増しを黙認する組織的なケースがあった。他方で報告書は「会社経営層の組織的な指示は認められなかった」とした。

 ヤマトHDは引っ越し商品や法人契約の再設計のほか、社員の業績評価基準の見直しなどを盛り込んだ再発防止策を示した。

 

この記事を印刷する