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ハイテク分野 日系企業に不安

経済

2018年8月24日 朝刊

 米国が今回の制裁関税の対象にした中国のハイテク製品には、日本製の部品や生産設備が多く活用されている。米中の貿易戦争は、日系メーカーに打撃を与える恐れが強い。

 米国の制裁関税の第二弾では、半導体や電子部品など二百七十九品目が対象になった。多くは中国が育成を進めているハイテク分野の製品だ。これまで中国では、これらの製品をつくるために使う工作機械などの需要も旺盛だった。このため米国の制裁関税が、ハイテクに関連する他分野の製品の生産にも悪影響を及ぼす不安が高まっている。

 日本工作機械工業会(東京)によると、七月の会員企業の中国向け受注額は五カ月連続で前年割れとなった。担当者は「会員企業の声では、まだ目立った影響は出ていないが、中国での需要が弱含んでいる可能性がある」と指摘する。工作機械大手のオークマ(愛知県大口町)の担当者は「中国は、自動車向けなどが今後も成長市場だが、貿易摩擦で勢いが衰える可能性がある」と懸念した。

 摩擦は長期化するとの見込みもあり、企業の不安感は強い。半導体製造装置向けの部品を製造するTHK(東京)の寺町彰博社長は「これから何が起きるか分からない。顧客が安心して設備投資ができる環境であれば良いが…」と危ぶむ。

 SMBC日興証券が集計した上場企業の二〇一九年三月期の純利益は前期比2・1%減で、三年ぶりの減益見通しとなった。企業心理が悪化すれば従業員の給料にも影響が出かねない。 (矢野修平、曽布川剛)

 

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