XMenu

日中でEV充電新規格 世界シェア9割 20年実用化へ

経済

2018年8月23日 夕刊

電気自動車(EV)の急速充電器

 電気自動車(EV)の急速充電器の次世代規格を日本と中国が共同開発し、世界標準を目指すことで合意した。二〇二〇年ごろに実用化する。世界的に自動車の環境規制が厳しくなる中、日中や欧米が規格を巡ってしのぎを削っている。急速充電器の設置数で現在九割超のシェアを持つ日中が規格を統一することにより、主導権争いで一歩リードできそうだ。

 日本独自の規格「CHAdeMO(チャデモ)」を推進するチャデモ協議会が二十二日、発表した。中国側と二十八日に北京で共同開発に向けた覚書に調印する。同協議会は自動車や部品のメーカー、電力会社などが会員となっている。

 急速充電器にはチャデモのほか中国の「GB/T」、欧米勢の「コンボ」といった規格がある。設置数はGB/Tが圧倒的に多い。

 共同開発する規格の出力は現在の普及タイプの約十倍以上に当たる五百キロワット超を想定。実現できれば、一基で複数のEVを同時に充電できるようになり、既存の規格との互換性も確保する。生産コストの削減などが課題で、日本側は技術やノウハウの提供を担う。

 日本は急速充電規格の開発で、中国に技術支援してきた経緯がある。中国では大気汚染対策が課題となっており、一九年からEVなどの生産を一定の割合で義務付ける。

 これを受けて、トヨタ自動車や日産自動車といった日本勢は中国市場での新型EVの発売を急いでいる。統一規格ができれば、日本メーカーにとって追い風になる。

<急速充電器> より高い電圧と電流を使い充電にかかる時間を短縮させた電気自動車(EV)用の充電設備。普通充電器で30分間から1時間充電すると約10キロ走行できるのに対し、急速充電器は5分間の充電で約40キロ走行可能。価格は普通充電器よりも高い。多くは高速道路のサービスエリアや商業施設など公共の場に設置され、緊急時の利用などが想定される。EV普及に不可欠なため世界中で設置数が増えているが、日本や欧米、中国でそれぞれ独自の規格が存在している。

 

この記事を印刷する