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車、農業折り合わず 日米貿易協議、来月持ち越し

経済

2018年8月12日 朝刊

 【ワシントン=白石亘】日米両政府は十日(日本時間十一日)、閣僚級の新しい貿易協議の初会合を終えた。米国が自由貿易協定(FTA)を念頭に二国間の交渉入りを求めたのに対し、日本は多国間の自由貿易体制を重視する考えを強調。自動車関税や農業分野などを巡る議論は折り合わず、協議は九月に開く次回の会合に持ち越された。

 茂木敏充経済再生担当相が米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表と九日から二日間協議した。終了後に茂木氏は記者会見し「双方の立場の違いを埋めて日米の貿易を促進させる方策を探求することで一致した」と語った。USTRも「相互信頼に基づき、次回会合に向けて議論を深める」と声明を出した。

 米国はトランプ大統領の意向を受け二国間の交渉を要求した。日本に農産品の市場開放を迫るためのFTAが念頭にあるとみられる。一方、日本は二国間交渉に応じれば譲歩を迫られる懸念が強いため、米国が環太平洋連携協定(TPP)に復帰するよう求める立場を堅持した。

 トランプ政権が検討する輸入車に対する追加関税に関して茂木氏は米国側に「信頼醸成が必要不可欠」と発動を控えるよう伝えた。ただ政府関係者によると、米国側は「発動しない」とは明言しなかったという。

 また茂木氏は対日貿易赤字の削減に向け、米国産の液化天然ガス(LNG)や防衛装備品の輸入を増やす可能性について「一般的な貿易のルール分野ではないことも含めて議論することはあり得る」と含みを残した。

 両国政府は中国を念頭に強制的な技術移転や世界貿易機関(WTO)改革などのテーマでも、日米で連携を一層進めることを確認した。次回の会合は九月にも想定される日米首脳会談の前に開きたい考えで、閣僚級でまとめた成果を首脳間で合意する段取りを描く。

 

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