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元役員がずさん融資主導 スルガ銀 金融庁が地銀検査

経済

2018年8月8日 朝刊

 シェアハウス投資を巡るスルガ銀行のずさん融資問題で、外部弁護士の第三者委員会が月内にまとめる調査報告書の概要が七日、分かった。元専務執行役員が過去最高益の更新に固執し、営業部門責任者として融資拡大を主導。取締役会は審査書類改ざんなど不適切な融資の横行を防げず、企業統治は機能不全に陥っていた。第三者委は元専務執行役員側に責任を押しつける動きがないかさらに詰め、法的問題を含め経営責任を追及する。

 スルガ銀に加え、東日本銀行でも不適切な営業が発覚したのを受け、金融庁が全国の地方銀行に対し、行内の不正行為をチェックする「内部監査」機能に焦点を当てた立ち入り検査を始めたことも七日、判明した。経営陣に問題点を指摘できる体制が整備されているかどうかや、社外取締役との情報共有などが適切に行われているか調べる。

 金融庁は第三者委の動きをにらみ、スルガ銀に対して業務改善命令を出す検討を本格化。厳しい処分は避けられない見通しで、三十年以上トップに君臨してきた岡野光喜会長の進退に発展するのは必至だ。

 第三者委は岡野氏ら経営中枢を含め約百人に事情聴取。スルガ銀による販売協力会社への改ざん指示など積極的な関与が確認され、事態はより深刻となった。

 騒動の発端となったシェアハウス「かぼちゃの馬車」向け融資は横浜東口支店を舞台に、会社員ら約七百人に物件購入費として一件当たり一億円超を貸し込んだ。元専務執行役員は、既に退職した当時の支店長と二人三脚で融資にのめり込んだ。審査部門をどう喝することもあった。元専務執行役員は今年六月下旬に役員を外れ事実上更迭された。

 スルガ銀は二〇一七年三月期まで五年連続で連結純利益が過去最高となったが、取締役会は事業計画の立案を営業部門に丸投げし、目標に掲げられた数字の根拠なども議論していなかった。

<シェアハウス融資問題> シェアハウス「かぼちゃの馬車」の運営が入居低迷で1月に頓挫し、物件に投資した会社員らが1億円以上の借金を抱えて自己破産の危機に直面している問題。物件購入費の融資を一手に引き受けたスルガ銀行で審査書類の改ざんや無担保ローンの抱き合わせ販売が相次いで発覚した。別のシェアハウスやアパート投資でもずさんな融資が見つかり、物件所有者側の弁護団は返せない借金を背負わせる詐欺的な手法と批判している。

 

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