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長期金利上昇なぜ 緩和策修正、国債売られる

経済

2018年8月3日 朝刊

 二日の国債市場は、長期金利の目安となる新規発行満期十年物の利回りが一時、0・145%と一年半ぶりの高い水準を記録しました。日銀が先月末に金融緩和政策を修正した影響でしょうか。 (渥美龍太)

 Q 長期金利が上がっていますね。

 A はい。長期金利は国債という金融商品の売買によって決まります。投資家は国債を買うと利子が受け取れるなど「もうけ」が出るのですが、もうけの部分を「利回り」と言います。この利回りが金利の目安です。利回りは、投資家が国債を売って国債価格が下がれば上がる仕組みです。つまり今、金利が上がっているということは、国債を売る動きが強まっている、ということになります。

 Q なぜ売るのですか。

 A 七月末にあった日銀の政策修正の影響です。日銀は、民間銀行などから国債を大量に買って代金を渡すことで世の中のカネ回りを良くする政策を続けています。今回、今までより、国債を安く買うようにしました。投資家は価格が下がると予測して売りますので利回りが上がりました。

 Q 人々の暮らしにはどんな影響が出ますか。

 A 例えば長い期間をかけて投資をする年金・保険は超低金利で運用難に陥っていましたが、少しでも金利が上がることは朗報といえます。一方で住宅ローン金利なども上がる可能性が出てきたわけで、これは利用者にはマイナスです。

 Q 長期金利はどこまで上がりそうですか。

 A 日銀には国債買い入れの調整によって長期金利を「0%程度」に誘導する目標があります。従来は「0%程度」の上限は0・1%とみられていましたが、今回の政策修正で0・2%ぐらいに変わりました。ただ、その水準まですぐに上がるかは分かりません。

 Q なぜですか。

 A 日銀は長期金利を低く抑えて経済を活性化し、物価上昇率を2%まで高めることを目指しています。目標の達成が遠いのに、金利が急に上がることを容認したらやる気を疑われます。日銀は二日午後、予定にない四千億円の長期国債買い入れを通知して金利上昇を抑え込み、二日の利回りの終値は前日より0・010%低い0・115%になりました。ニッセイ基礎研究所の上野剛志氏は「日銀はあからさまな『利上げ感』が出るのを避けたいのだろう」と指摘しています。

 

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