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米、対中関税25%に上げ 輸入品22兆円分で検討

経済

2018年8月2日 夕刊

 【ニューヨーク=白石亘】トランプ米政権は一日、年二千億ドル(二十二兆円)相当の中国からの輸入品に課す追加関税について、当初想定していた10%から25%に税率を引き上げることを検討すると発表した。知的財産権の侵害を理由とした中国への制裁関税の第三弾に当たり、中国から譲歩を引き出す狙いがある。

 米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は一日の声明で「残念ながら、中国は有害な振る舞いを変えず、米国の労働者や農家に違法な報復をしている」と指摘した。最終決定は九月以降になる見通し。今回の対象にはかばんや家具など消費者向けの品目が多く、米国経済への影響が大きい。

 トランプ政権は中国に対し、米企業の技術を強制的に移転させたり、補助金で国内のハイテク企業を優遇する政策を見直すよう要求。だが、報復関税の応酬が繰り広げられる中で、米中間の交渉は停滞したままで、中国の行動を変えるには、圧力を一段と引き上げる必要があると判断した。

 トランプ政権は七月六日、三百四十億ドルの中国製品に第一弾の追加関税を発動。中国政府もただちに同規模の米国製品に報復関税を課した。報復への報復として、トランプ政権は近く百六十億ドルの中国製品に第二弾の追加関税を課す構えだ。

 貿易戦争が激しくなっても、米経済は好調を維持する一方で、輸出依存度が高い中国は景気の減速懸念が浮上しており、米側が攻勢に出る一因となっている。

 また関税引き上げを検討する狙いに関して、米メディアでは、中国の元相場が対ドルで過去二カ月間に6%下落していることから「通貨安で中国の輸出競争力が高まるのを打ち消す」(ウォールストリート・ジャーナル)との見方もある。

<米国の対中制裁関税> 米国が輸入する中国製品に関税を上乗せする制裁措置。中国による知的財産権侵害を理由とし、相手国の不公正貿易への一方的な制裁を認めた米通商法301条に基づく。巨額の対中貿易赤字を抜本的に減らす狙いもある。 (共同)

 

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