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G20、報復阻止策示せず 貿易摩擦「リスク増大」

経済

2018年7月23日 夕刊

 【ブエノスアイレス=共同】アルゼンチンで開かれた二十カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は二十二日午後(日本時間二十三日未明)、共同声明を採択して閉幕した。声明は、貿易摩擦の激化で「世界の経済成長の下振れリスクが増している」と危機感を示し、失速回避へ米国や関係国は「対話と行動」を強める必要があると表明。保護主義と闘うとした昨年の首脳合意を再確認した。また、米利上げなどの影響に直面する新興国市場で混乱が生じないかの監視を続ける。

 この首脳合意は米国の主張に配慮し、不公正貿易への対抗措置の意義も認める内容。米国と中国が制裁関税を発動して以降初の国際会議となったが、報復の連鎖を食い止める具体策は見いだせず、今後に持ち越した。

 麻生太郎財務相は閉幕後の記者会見で、貿易問題は「多国間で話をしないといけない」と強調した。

 他方、ムニューシン米財務長官は「米国が保護主義だという根拠は全くない」と正当性を主張。議長を務めたアルゼンチンのドゥホブネ財務相は「貿易紛争を解決する場は二国間交渉や世界貿易機関(WTO)だ」と議論の限界を認めた。

 声明は世界経済の成長はなお力強く、貿易や投資が重要な役割を果たすと強調。同時に「貿易や地政学上の緊張の高まり」を中短期の懸念材料に挙げた。アルゼンチンなどの通貨安を念頭に「市場の過度の変動」や、金融環境の変化で新興国からの資本流出を招く恐れにも警鐘を鳴らした。

 開幕直前にトランプ米大統領は中国や欧州連合(EU)が為替操作してきたと批判。市場が動揺したが大きな波乱はなく、声明は輸出を有利にする通貨の切り下げ競争を避けると改めて確認した。

 

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