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G20 米の高関税に懸念 「世界経済 リスク増大」

経済

2018年7月23日 朝刊

 【ブエノスアイレス=共同】アルゼンチン・ブエノスアイレスで開幕した二十カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は二十一日夕(日本時間二十二日午前)、初日の討議を終えた。麻生太郎財務相は、幅広い輸入品に高い関税を課す保護主義的な米通商政策を批判。ほぼ全ての国が米強硬策による貿易摩擦激化への懸念を示し、世界経済のリスクが増大したと声明に記す方向で調整した。米中対立を助長した人民元相場下落を巡っては、麻生氏が通貨政策の透明化を中国に求めた。

 会議は二日目の二十二日午後(日本時間二十三日未明)に閉幕する。自動車の輸入制限に踏み込もうとする米国に折れる兆しはなく、混迷打開は見通せない。麻生氏は二十二日、ムニューシン米財務長官と個別に会談した。

 一方、二日目の討議前に日米欧の先進七カ国(G7)が財務相・中央銀行総裁会議を開いた。中国の不公正貿易への対処を協議したとみられる。

 麻生氏は初日の討議で「内向きな政策は、どの国にも利益にならない」とし「自由で公正なルールに基づく貿易」で経済成長を保つよう主張。米国の掲げる貿易赤字削減は「関税を課すのではなくマクロ政策などで行われるべきだ」と述べた。記者団に明らかにした。

 ロイター通信によると、フランスのルメール経済・財務相は「貿易戦争は現実に起きている」との危機感を記者団に表明。「米国が新たな制裁関税を課したら報復するしか選択肢はない」と、鉄鋼に続く自動車輸入制限などの撤回を迫った。

 人民元安は中国経済の先行き不安を表すとの見方がある半面、ドル高を問題視するトランプ米大統領は「為替操作」と批判している。こうした疑念の交錯を踏まえ、麻生氏は丁寧な説明を中国に求めた。日本以外は元安問題を持ち出さず、中国側も意図的な誘導を否定したが、為替の協調にも火種がくすぶった。

 G20会議は、欧米の金融引き締めが新興国からの資本流出を招く恐れを注視すると確認。麻生氏はイタリアのトリア経済財務相と二十一日会談し、新政権が発足した同国の経済政策を巡り意見交換した。

 

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