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「反原発」連帯 福島・浪江町の町議ら英ウェールズで訴え

経済

2018年7月21日 夕刊

原発に反対する地元の住民団体「PAWB」メンバーとアングルシー島の庁舎を訪れた馬場績さん(左)と根本敬さん(右から2人目)=阿部伸哉撮影

 福島県浪江町議の馬場績(いさお)さん(74)と、同県農民連会長の根本敬(さとし)さん(62)が、英中西部ウェールズを訪問。十二日から十六日までの五日間、日立製作所が原子力発電所建設を計画するアングルシー島などで住民らと意見交換した。二人は、東京電力福島第一原発事故で全町避難を余儀なくされた浪江町の現状を説明し「原発は無限の人権否定」と訴えた。 (英アングルシー島で、阿部伸哉)

 ウェールズで原発に反対する住民団体「PAWB」が招いた。「PAWB」は五月に来日した際、福島を訪問。それをきっかけに、馬場さんと根本さんが連帯を示そうと訪英を決めた。

 英国では与党・保守党も最大野党の労働党も原発推進の立場で、ウェールズでも反対派は少数。それだけに、二人は原発容認派が多いアングルシー議会でも発言の場を求めた。

 「事故は終わったことにされているが、いまだに避難区域に戻れるような状態ではない」。馬場さんは議員たちに画像を示しながら力説。自殺者も出ていることも紹介し「国も東電もだれも責任を取っていない」と原発計画の再考を促した。

 根本さんは「かつての福島でもそうだったが、『原発は地元で決めたわけではない』という人ごとのような反応がやや強かった」と振り返る。だが、若者との対話では、二人は手応えを感じたという。

 「この土地を守るため、原発に反対だ」。馬場さんには訪問した酪農家で、後継者の男性が語った言葉が忘れられない。二人は「次世代にこそ原発を考えてもらいたい」と、地元の高校も訪問。高校生らに「みなさんの力で原発に頼らない時代を築いてほしい」と訴えた。

 「PAWB」来日メンバーの一人で、今回の受け入れ役を務めたロバート・イブリスさん(65)は「事故から七年たった今も苦しみが続く現実は、ウェールズでの原発議論に欠ける視点。暮らしが一瞬で壊されるという生の体験談は、私たちの運動の新たな力になる」と二人に感謝していた。

 

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