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中国、6.7%成長に減速 「トランプ貿易」ちらつく影

経済

2018年7月17日 朝刊

 【北京=安藤淳】中国国家統計局が十六日発表した二〇一八年四〜六月期の国内総生産(GDP)は、物価変動を除く実質で前年同期比6・7%増となった。伸び率は今年一〜三月期から0・1ポイント低下し、減速は三・四半期ぶり。金融リスクの抑制政策で、インフラ投資の伸びが鈍化したことが響いた。

 伸び率は一八年通年の政府目標である「6・5%前後」を上回ったものの、一六年七〜九月期以来の低水準となった。今回のGDPに米国との貿易摩擦の影響は大きく出ていないが、今後は輸出減少も予想され、景気が失速する懸念が強まっている。

 同時に発表した一〜六月期の経済統計によると、公共事業や設備投資を示す固定資産投資は前年同期比6・0%増だが、伸び率は一〜三月期の7・5%増から鈍化した。中国経済をけん引してきた道路や鉄道建設などのインフラ投資の伸びが、一〜三月期の13%から7・3%に失速したことが影響した。地方政府の過剰債務を問題視する中央政府が規制を強めた。

 個人消費を示す社会消費品小売総額は前年同期比9・4%増だが、伸び率は一〜三月期の9・8%から低下した。輸出は12・8%増、輸入も19・9%増と拡大した。

16日、北京でGDPを発表する中国国家統計局の毛盛勇報道官=安藤淳撮影

◆「影響あるが限定的」も 日本企業 波及を懸念

 堅調だった中国経済の先行きに不透明感が増している。四〜六月期の国内総生産(GDP)に米国との貿易摩擦の影響は大きく出ていない。しかし、報復の応酬がこのまま続けば、下半期は中国に進出する日本企業を含めて悪影響を受けるのは必至だ。

 十六日の国家統計局の記者会見では、内外の記者から下半期の中国経済を懸念する質問が相次いだ。しかし、毛盛勇(もうせいゆう)報道官は「貿易戦の影響はあるが限定的」「さらに観察が必要」などと多くは語らず、中国経済の順調さをアピールした。

 確かに、二〇一七年は五年に一度の共産党大会が開催されたため、政府は経済の安定を優先して景気のてこ入れを図った。この反動もあって緩やかな減速局面は織り込み済みだ。

 丸紅(中国)の鈴木貴元・経済調査総監は「インフラ投資の落ち込みにもかかわらず、思ったほど下がらなかったのは民間企業の設備投資や雇用に強い動きが出たため」と分析した。

 ただ、中央政府は金融リスク回避のため、地方政府のインフラ整備による債務拡大に今後もブレーキをかけるとみられる。さらにインターネット消費の勢いに陰りが見える中、貿易摩擦の影響で外需も落ち込めば、景気が失速し金融市場にも動揺を与えかねない。

 影響は中国企業だけではない。鈴木氏は「下半期は中国に進出する自動車・機械部品系の日米欧メーカーの対米輸出に影響が出るだろう」と予測。別の日本企業担当者は「個別の影響より、消費や投資マインドの落ち込みによる中国景気の悪化が心配」と話した。(安藤淳)

 

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