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ポータブルCDプレーヤー 語学学習用で生き残り

経済

2018年7月12日 朝刊

主に3000〜5000円台の商品が並ぶ量販店のポータブルCDプレーヤー売り場=東京都千代田区のヨドバシカメラマルチメディアAkibaで

 外出先などでCDを聴く「ポータブルCDプレーヤー」の新商品が、今も発売され続けている。大量の音声データを保存できるスマートフォンなどに主役の座は奪われたが、一定の買い替え需要がある。背景には「学習書とCDがセットで販売されることが多い」という外国語学習の事情があるようだ。 (妹尾聡太)

 「ポータブル型は月に約一万五千台売れる。語学教材のCDを聴く人の購入が多い」。二月に新商品を出した家電メーカー、オーム電機(東京都)の広報担当者が話す。ただ「市場が拡大している様子はない。大手メーカーの販売が終了し、その需要が回ってきた」という。

 コンパクトディスク(CD)はソニーなどが一九八二年に商品化し爆発的に普及した。だが二〇〇〇年代、何百曲分もの音声を保管したり、インターネット上の曲を聴いたりできる米アップルのiPod(アイポッド)やスマホが広まると、録音時間が短いCDを持ち運ぶ意味は薄れた。

 大手メーカーでつくる「電子情報技術産業協会」によると、ポータブル型を含む家庭用CD再生機の国内出荷数は、〇〇年は二百三十五万台だったが一三年は六十万台に減り、その後は統計対象から除外。ソニーは一四年に「CDウォークマン」の販売を終了した。

 それでもスマホを持たない高齢者や、英語教材などのCDを使う人の需要は残った。「スマホは電池切れが心配なため、語学専用にCDプレーヤーを買う人もいる」(オーム電機)

 昨年七月には、東芝の家電部門(中国企業に売却済み)が二十八年ぶりに新型ポータブルCDプレーヤー(店頭価格約五千円)を発売した。再生速度を十一段階に調節できるなど、外国語を学ぶ上で役に立つ機能を充実させたのが特徴で、この一年間で約七万台を売り上げた。

 同社は「小学校低学年から英語を学ぶ動きが広まっているが、その年代ではスマホを持たない児童もいる」と指摘。低年齢化する英語教育や、東京オリンピック・パラリンピックを前に見込まれる外国語学習の波にも乗りたい考えだ。

 

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