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出光・昭和シェル統合合意 村上世彰氏、橋渡し

経済

2018年7月11日 朝刊

 出光興産と昭和シェル石油が基本合意から三年を経て、ようやく正式な経営統合の合意に至った。反対してきた出光の創業家の一部が賛成に転じた。新会社の取締役に創業家推薦の二人を入れるなどの条件が認められたことで「統合後も創業者の理念を維持できる」と判断したという。かつて「村上ファンド」を率いた村上世彰(よしあき)氏も創業家と出光の間で調整に動いた。

 国内では人口減少や省エネの浸透でガソリンや石油の需要が低迷。石油元売り各社は生き残り策を模索している。

 一七年には業界トップだったJXホールディングスと当時三位だった東燃ゼネラル石油が経営統合しJXTGホールディングスが発足。二位の出光と五位の昭和シェルも統合しようとしたが、出光の創業家が「経営理念を維持できない」と反対してきた。

 創業家と出光との橋渡し役となった村上氏は、旧通商産業省の官僚時代に石油業界を担当。創業家側から相談役を頼まれたとされる。出光の月岡隆会長は十日の記者会見で「創業家に(村上氏が)経営統合の必要性を説明してくれたことが関係改善につながった」と明かした。

 創業家の久保原和也弁護士も「村上氏の尽力の下、出光興産からこれまでの説明不足を反省する旨が伝えられ、あらためて説明を受けた」とのコメントを発表。村上氏は出光株を1%保有しており、統合を実現させることで株価を引き上げる狙いもあるとみられる。

 ただ創業家側には、統合に賛成する方針に転じた出光正和氏以外にも、多くの出光株を持つ株主がいる。久保原弁護士は「創業家側の株主の全員が今回の会社提案を受け入れたわけではない」と指摘しており、今後も対立の火種になる可能性がある。 (吉田通夫)

 

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