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TPP年明けにも発効 関連法成立 米保護主義に対抗

経済

2018年6月30日 朝刊

 米国を除く十一カ国による環太平洋連携協定(TPP11)の関連法が二十九日、参院本会議で自民、公明両党などの賛成多数で可決、成立した。これで必要な国内手続きはほぼ終了。他国の作業が順調に進めば、来年の年明け早々にも発効する見通しだ。日本は自由貿易圏づくりを急ぎ、保護主義に傾くトランプ米政権への「防波堤」にしたい意向だが、逆に孤立した米国が自由貿易協定(FTA)を結ぶよう、日本に強く求めてくる可能性がある。

 TPP11の発効には六カ国以上の国内手続きを終えることが必要。既にメキシコが完了しオーストラリアとニュージーランドでも手続きが進む。ベトナム、シンガポールも意欲的で来年初頭にも発効の見込みだ。

 一方、日本はTPPから離脱した米国と七月下旬にも、閣僚級の新たな貿易協議を始める予定。トランプ氏は対日貿易赤字の削減を最優先し、二国間の取引を求めている。日本は米国の離脱前に定めたTPPの協定内容を「防衛ライン」とし、それ以上の譲歩はしない方針だ。

 また日本は七月に欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)に署名し、一九年春の発効を見込む。TPP11と日欧EPAが発効して両方の参加国から輸入される牛肉や豚肉などの関税が下がれば、日本国内では米国産だけが高関税のままになり、米国にとって不利な状況となる。日本は自由貿易の枠組みに入ることの利点を米国に示し、TPP復帰を促す考えだ。

 ただ焦った米国が農作物などの市場開放を求めて日本にFTAを迫る可能性がある。二十九日の参院の採決前の討論では、野党が「TPPにしがみついたまま米国との交渉に突入すれば、TPPの内容が『最低ライン』となり、それ以上の内容を米国から要求される」と指摘した。自国優先を貫く米国を相手に厳しい協議を迫られる。 (矢野修平)

 

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