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TPP11関連法成立 米けん制 手続き完了2カ国目

経済

2018年6月29日 夕刊

 米国を除く十一カ国が署名した環太平洋連携協定(TPP)の関連法が二十九日、参院本会議で自民、公明両党と日本維新の会などの賛成多数により可決、成立した。これで国内手続きはほぼ終わり、メキシコに続いて二カ国目の完了となる。他国の作業が順調なら年内にも発効する。政府は多国間の自由貿易圏づくりを推進し、保護主義的な政策に突き進むトランプ米政権のけん制材料としたい考えだ。

 十一カ国の国内総生産(GDP)を合わせると全世界の13%を超える。政府は貿易や投資が活発になって実質GDPが年七兆八千億円押し上げられ、雇用は四十六万人増えると見積もった。他方、関税引き下げに伴う農林水産業への悪影響を過小評価しているとの批判が野党に強く、きめ細かな分析と支援が課題となる。

 茂木敏充経済再生担当相は閣議後の記者会見で「保護主義が台頭する中、自由で公正なルールを確立するものだ」とTPPの意義を説き、早期発効の機運の高まりに期待を示した。採決では国民民主、立憲民主、共産各党などが反対に回り、国民民主党の大島九州男(くすお)氏は討論で「農産物の大幅な輸入増が起きる懸念がある」と主張した。

 関連法は、十二カ国時代に決めた関連十法の改正事項の施行日を米国抜きのTPP発効日に見直す内容で、畜産農家の支援強化や著作権のルール変更などが対象。手続きは七月上旬の政省令改正で終わる。完了を参加国に通知すれば締結となる。

 日本は七月に欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)に署名する。一方、米国との新たな貿易協議の開始も予定され、農業・自動車分野で市場開放を迫られる可能性が高い。日本はTPPや日欧EPAを「防波堤」として対米譲歩を避けつつ、米TPP復帰の糸口も探る。

 

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