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不祥事 株主怒りピーク 日産、神鋼、スルガ銀…総会紛糾

経済

2018年6月29日 朝刊

 上場企業の株主総会がピークを迎えた。検査不正を起こした日産自動車や神戸製鋼所、シェアハウス向けのずさん融資が露見したスルガ銀行では、経営体質を批判する声が噴出。企業の社会的責任に対する株主の意識は急速に高まっており、経営陣への視線は厳しさを増している。

 ▽怒号やまず3時間

 「報酬で責任を取っていない」。二十六日の日産の株主総会。無資格検査問題を繰り返し陳謝する西川広人社長に批判が飛んだ。西川氏の二〇一七年度の役員報酬は前年度より26%多い五億円。リコール(無料の回収・修理)や国内販売の落ち込みなど経営がダメージを受けただけに株主の不満は大きい。総会にはカルロス・ゴーン会長も出席。「日産の顔」として謝罪を求められたが本人は「今のボスは西川氏だ」と拒む一幕がみられた。

 大荒れだったのはシェアハウス投資へのずさん融資が社会問題化したスルガ銀行。静岡県沼津市で二十八日、株主総会を開いた。多額の借金にあえぐ物件所有者らから「組織的な不正だ」などと怒声が相次ぎ、約三時間に及んだ。今後は外部の弁護士で構成する第三者委員会の調査に焦点が移る。

 製品のデータ改ざんが発覚した 二十一日の神鋼の総会では、不正の原因を社員のコンプライアンス(法令順守)意識の低下と説明する経営側に「企業風土をつくったのは会社だ」と批判が出た。

 ▽真剣議論の場に変容

 二〇〇〇年代初め、株主と経営陣の関係は対決色が強かった。短期的な荒稼ぎを狙った投資ファンド勢が敵対的買収を仕掛け、会社側は「毒薬条項(ポイズンピル)」など防衛策を駆使して対抗した。

 しかし近年、株主総会は経営の在り方を巡る「真剣議論の場」に変容した。株主の注目度の高いテーマが法令順守をはじめとするガバナンス(企業統治)だ。問題企業の多くはこの面で機能不全に陥っていた。

 取締役会の多様性も関心事の一つ。野村アセットマネジメントの今村敏之責任投資調査部長は「女性や国籍、背景の違う人をそろえないと環境や社会変化に対応できない」と強調。取締役の顔ぶれの重要性を訴える。

 十九日のソニーの総会では海洋汚染対策の一環で地球規模の課題となっているプラスチックごみについて「積極的な貢献を期待する」との発言があった。

 

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