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OPEC来月増産合意 NY原油急伸 非加盟国と協調

経済

2018年6月23日 朝刊

 【ウィーン=共同】石油輸出国機構(OPEC)は二十二日、ウィーンで定時総会を開いた。二〇一七年一月から続けてきたOPEC加盟国と非加盟国の協調減産の規模縮小を議論し、最近の原油高に対応するため、増産で合意した。ロイター通信によると、七月一日から非加盟国と協調して世界の供給量の約1%に相当する日量百万バレル程度増やすという。

 原油安への対応策として始まった協調減産は、原油を安定的に供給し価格の激しい変動を抑えるため、新たな段階に入る。二十二日のニューヨーク原油先物相場は、増産効果が限定的との見方から上昇、三週間ぶりの高値をつけた。日本のガソリン価格などにも影響しそうだ。トランプ米大統領は二十二日、ツイッターに「OPECがかなり増産してくれることを望む」と投稿した。

 OPECは声明に具体的な増産幅を盛り込まなかった。協調減産が行き過ぎたとしている。実質的には日量六十万〜八十万バレル程度増えるとみられる。

 サウジアラビアやロシアなど協調減産の参加国は二十一日、取り組み状況を確認する減産監視委員会を開催。イランのザンギャネ石油相は増産案に反発し、途中で退席したと伝わった。

 総会ではOPEC加盟国と非加盟の産油国が原油市場に応じて共同で対応する枠組みを無期限で延長する案なども検討。二十三日には非加盟国との会合を開く。

 協調減産見直しの検討に入った背景には、五月ごろに原油価格が上昇したことがある。米国がイラン核合意からの離脱を表明したことで供給不安が広がり、一時、ニューヨーク原油先物相場が一バレル=七〇ドルを超えた。

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 【ニューヨーク=共同】二十二日午前のニューヨーク原油先物相場は、OPECなどによる増産は実効性が乏しいとの見方から急伸し、指標の米国産標準油種(WTI)八月渡しが一時、前日比二・四八ドル高の六八・〇二ドルと五月三十一日以来、三週間ぶりの高値水準をつけた。

◆米の圧力 協議に影響

 【ウィーン=共同】OPEC加盟国と非加盟国の協調減産の規模縮小を巡る協議は、米国から大きな影響を受けた。トランプ米大統領によるOPEC批判などに振り回され、身内で意見が対立。価格安定という共通の目標に向けた調整の難しさが浮き彫りとなった。

 トランプ氏はこれまで、ツイッターでOPECの協調減産により原油価格が不当に高くなっていると非難してきた。背景には十一月の中間選挙に向け、ガソリン価格が上がるのを防ぎ、有権者の批判をかわしたいとの思惑があるとみられる。

 米国と友好関係にあるサウジアラビアは、深刻な供給不足に陥りかねないとの理屈を付け、減産緩和に傾いていった。一方、イランやベネズエラは対立関係にある米国の意向がちらつくとして強く反発し、協議は難航した。

 これまでの減産によって先進国の在庫水準は低下。経済成長を続ける新興国などが引っ張る形で世界の石油需要も伸びており、原油価格が上昇する構造は続いている。産油国の協議次第では、ガソリンや石油化学製品の価格高騰などを通じて日本の消費者や企業にも影響が及びかねない。

 

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