XMenu

経産省、米を名指し批判 不公正貿易報告書 WTO提訴視野

経済

2018年6月19日 朝刊

 経済産業省は十八日、二〇一八年版の不公正貿易報告書を発表した。鉄鋼・アルミニウムの輸入制限をはじめ、保護主義的な通商政策を強めるトランプ米政権を名指しで批判。「対抗措置の応酬を通じて負の影響がグローバルに拡散しかねない」と懸念を示した。米輸入制限への対応方針として、世界貿易機関(WTO)への提訴も視野に問題解決を図ると初めて明記。欧州連合(EU)とも連携し、二国間や多国間の枠組みを使って対米交渉を進める。

 米国が自動車の輸入制限に向けて調査を始めたこともけん制した。世界貿易の大きな割合を占めているとし、発動されれば自由貿易に深刻な影響を与えると警鐘を鳴らした。輸入制限措置は多くの国が自由貿易に参加し、相互に利益を得る「多角的貿易システム」に悪影響を及ぼしかねないと指摘した。

 米国は三月、鉄鋼に25%、アルミニウムに10%の追加関税を課す輸入制限を発動。六月十五日には知的財産権侵害を理由に、年間約五百億ドル(約五兆五千億円)に相当する中国製品に制裁関税を課すと発表した。

 報告書はこのような動きを、貿易赤字に代表される自国に不利な結果のみを理由に、相手国の貿易政策を不公正と評価する「結果志向」だと非難した。

 また特定国が一方的な判断で相手国を評価することは、国際ルールに基づかず客観性が欠如していると分析した。製品や農産品の市場シェアや輸入額を一定の範囲に抑える管理貿易に容易に転化し、自由貿易によって世界経済の発展を目指すWTOの理念から逸脱すると指摘した。

 中国に対しては、アルミ産業に不透明な補助金が交付された結果、過剰供給により各国の利益に悪影響が出ていると強調。米国と同様、WTO提訴を視野に議論を進めると指摘した。技術移転の強制や知的財産の侵害が、市場をゆがめかねないと疑念を呈した。

 

この記事を印刷する