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日銀 指し値オペ 5カ月半ぶり

経済Q&A

2018年7月24日

 日銀は23日、金利を抑えることを狙った「指し値オペ」を実施しました。金利を巡る金融市場と日銀の思惑を整理しました。(渥美龍太)

 日銀は二十三日、利回りを指定して無制限に国債を買い入れ、金利の上昇を抑える「指し値オペ」を実施した。今年二月二日以来、約五カ月半ぶり。二十三日の債券市場は長期金利の指標となる満期十年国債の利回りが一時、0・090%と約五カ月半ぶりの水準まで急上昇、終値は0・080%となった。

 金利の上昇は、日銀が三十〜三十一日の金融政策決定会合で超低金利政策の副作用を和らげるための修正を行う、との観測が浮上したためとみられる。

 指し値オペでは、償還までの残り期間が五年超十年以下の国債を利回り0・110%で買い入れると通知。長期金利は「いったん0・06%台まで下がったものの、何らかの政策修正があるとの観測が根強く再び上昇した」(エコノミスト)とみられる。

 指し値オペは二〇一六年九月、日銀が長期金利を0%程度に誘導する今の政策を始めた際に導入した。

◆金利上昇を抑制 利回り指定で国債無制限買い入れ

 Q 指し値オペとは?

 A 日銀は民間銀行などから国債を買って代金を渡し、世の中にお金を流す政策を続けています。これが「買いオペ」です。国債を買って得られるもうけの「利回り」は、国債の買い手が増えると下がるので、日銀が買えば下がります。国債の利回りは世の中の金利の目安にもなっており、買いオペは金利を下げる効果があるわけです。指し値オペは買いオペの一種で、指定した利回りで売り出された国債を無制限で買います。

 Q なぜ利回りを指定するのですか。

 A 指定した利回りの水準以上には金利を上げない意思を市場に示し、けん制するためです。極端な買いオペによる超低金利政策で銀行の経営悪化など副作用が広がっており、投資家は日銀が金利を上げる(国債価格は下がる)準備をするかもと予測して国債を売ったのですが、日銀は指し値オペで歯止めをかけたのです。

 Q 日銀は金利を上げたくないのですか。

 A 表向きにはそうです。今の政策は金利を下げてお金を借りやすくし、景気を良くして物価を上げる狙いですが、目標とする物価上昇率2%にはほど遠い状況です。ただ、日銀の政策だけでは物価が上がらないうえ、極端に金利を下げ続ける副作用には、日銀内でも懸念が高まっています。

 Q 懸念が大きいならば金利を上げるべきでは?

 A 金利を上げると円の価値が高まり、円高になりやすく、円高は株安にもつながりやすい。安倍政権は何よりも円安と株高を重要視していて、日銀は忖度(そんたく)して身動きが取れないとみられています。でも中央銀行は政府から独立しており、必要なら政府が嫌がることもやるのが仕事です。専門家らは指し値オペでその場をしのぐだけでなく、副作用と正面から向き合って異常な低金利政策の正常化を模索すべきだとの批判を強めています。

 

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