東芝株 上場廃止になったら 43万人株主の資産減

経済Q&A

2017年4月12日

 東芝が過去に二度、延期していた決算を十一日、ようやく提出しました。不正会計問題から異例の状況が続く東芝が日本を代表する上場企業として適切なのか、東京証券取引所は審査をしますが、厳しい視線を向ける市場関係者は少なくありません。一方で上場廃止による影響を警戒する人もいます。仮に上場廃止になった場合、どのような影響が出てくるのでしょうか。 (伊藤弘喜、中沢佳子)

 Q 東芝はどんな審査を受けるのですか。

 A すでに不正会計を理由に、経営の管理体制の審査を受けています。監査法人のお墨付きがない決算を発表したことも対象になります。東芝は三月末で資産より借金が多い債務超過になりましたが、一年以内に解消できなければ、それも廃止理由になります。

 Q 仮に、東芝のような大企業が上場廃止になると、どのような影響が予想されるのでしょうか。

 A 東芝、株主、金融機関、株式市場など、影響は広がりそうです。四十三万人といわれる株主は株式市場で自由に売買できなくなり、取引相手を自分で探さなければなりません。上場廃止の決定から廃止になるまでの周知期間(一カ月)は株が売られる傾向が強く、さらに株価は下がります。大企業の東芝株が組み込まれている投資信託などの金融商品の価値も下がるため、金融市場全体が混乱する恐れもあります。

 Q ほかにはどんなことが考えられますか。

 A 大手銀行は保有する東芝株の価値が下がるだけでなく、東芝の経営不安で融資の返済がさらに難しくなる可能性があります。金融機関以外の会社でも東芝株を担保に金融機関から融資を受けていると、その担保価値がなくなってしまう場合もあります。

 Q 原因をつくった東芝には、どのような影響があるのですか。

 A 新たに株式を発行して市場で資金調達ができなくなります。会社の信用も落ち、ますます金融機関の融資も受けにくくなり、経営状況はさらに苦しくなることが想定されます。経営者は株主から株価下落の損害賠償請求を受ける恐れもあります。社員は上場企業という看板やそこに勤めているというプライドが傷つき、士気も下がりかねません。

 

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