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新国立の巨大な壁 槇さん「沈黙の館だ」 計画断念訴えシンポ

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2014年6月16日

シンポジウムで新国立競技場の基本設計の検証結果を発表する建築家の槇文彦さん(左)=15日、東京都渋谷区で

 二〇二〇年東京五輪の主会場となる新国立競技場について計画の見直しを求めるシンポジウムが十五日、都内であった。建築家の槇(まき)文彦さんは独自に作成したイメージ図を示し、「そばを歩く人から見ると足元から数十メートルもの壁になる。しかも年間五十日弱しか使われない無表情のコンクリートの壁、まさに沈黙の館だ」と景観への悪影響を懸念。建て替えではなく改修で済ませることなどを訴えた。

 建築エコノミストの森山高至さんは、一九三六年ベルリン五輪の主会場が今も現役で使われるなど、海外では築後数十年の古いスタジアムを改修して使う例が多くあると指摘。槇さんは古代五輪の歴史を受け継ぐというギリシャの競技施設を示し、「ブラジルワールドカップで対戦するギリシャと日本は接戦になるだろうが、こうした建築物への姿勢は三十五対ゼロくらいで負けている」と述べた。

 このほか、原科幸彦・千葉商科大教授は「事前にきちんとした情報が社会に発信されず、私のセンスならめちゃくちゃなプロセス」と批判。三上岳彦・帝京大教授も「新競技場は都心の気温を下げる海風の流れを阻害する」と問題視した。

 シンポは市民団体「神宮外苑と国立競技場を未来へ手わたす会」が主催。槇さんのイメージ図は五月下旬にまとまった新競技場の基本設計案を基に、周辺六地点から見上げた様子をまとめた。会のホームページで閲覧できる。

 

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