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「新国立」総工費膨らむ恐れ 現競技場の倍最高70メートルに

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2014年5月29日

 二〇二〇年東京五輪の主会場となる新国立競技場の建設で、事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)は二十八日、都内で有識者会議を開き、基本設計案をまとめた。総工費は昨年の単価による概算で千六百九十二億円としたが、現段階の見通しを示さなかった。資材高騰などで、さらに膨らむことは確実だ。明治神宮外苑の景観に配慮するとして、高さを当初案から五メートル下げたが、それでも現競技場本体部分の二倍以上に当たる最高七十メートルに達し、周辺環境への影響は避けられそうにない。 

 会議では建築家の安藤忠雄さんが「七十メートルになったのはバランスが良い」と述べる一方、「(批判に対して)しっかり対応した方がいい」と発言。他の委員も同調し、基本設計案の説明会を開く見通しになった。だがJSCの河野一郎理事長は会議後、「説明会は設けたいが、計画の根本を変更することはない」と明言。現競技場の解体も予定通り七月から進める考えを明らかにした。

 新競技場は最大八万人収容。延べ床面積は従来計画よりわずかに減ったが約二十二万三千平方メートルで、現競技場の四倍以上となり、五輪史上最大規模に変わりはない。屋根南側の一部を透明にして日射量を増やすことを新たに示した。芝生育成のためだが、それでも年二回、芝生を張り替える計画だ。

 コンサートに必要としてこだわってきた開閉式屋根は工法を見直し、プラスチックの「開閉式遮音装置」として設置。観客席は三層式で、サッカーなどでは最下層が前にせり出す。

 基本設計時点の総工費を示さないのは異例との指摘もあるが、河野氏は「政府とやりとりしておりコメントできない」と述べた。

 JSCは政府から基本設計の承認を得た上で、現競技場の解体工事に着手。来年十月の着工を目指す。 (森本智之)

 

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