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陸上イージスを見直せ

私説・論説室から

2018年7月11日

 朝鮮半島で進む緊張緩和の動きに背を向けるように防衛省は迎撃ミサイル「イージス・アショア」の導入計画を進めている。

 候補地となった秋田市、山口県萩市の演習場周辺ではレーダー波(電磁波)による健康被害などを不安視する声が上がる。

 新屋演習場は小中高校がある秋田市街地に隣接し、労組などが配備反対を表明。萩市のむつみ演習場と海岸との間に挟まれた阿武町の花田憲彦町長は迎撃ミサイルが発射されれば町の上空を飛ぶとして懸念を表明した。

 今年一月、米ハワイ州で「イージス・アショア」を見学した小野寺五典防衛相は、米政府高官から「人体や通信への影響はまったく問題ない」との説明を受けたが、報道陣が撮影した動画には電磁波の影響を疑わせる雑音が入っていた。

 防衛省は弾道ミサイルを迎撃できるイージス護衛艦を四隻から八隻に倍増させる計画で、改修や新規建造が始まっている。さらに「地上イージス」まで必要なのか。導入すれば、米国を除いて世界初の保有国となり、安倍首相と米国製武器の追加購入で合意したトランプ米大統領は大いに喜ぶことだろう。

 設置を決めても稼働が始まるのは五年後だ。朝鮮半島情勢は大きく変化しているかもしれない。既に政府はミサイル避難訓練の共催中止を決めた。「イージス・アショア」の導入は見直すべきだ。 (半田滋)

 

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