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100万年、100万円

私説・論説室から

2018年5月28日

 たくさんの化石が発見されている恐竜が闊歩(かっぽ)していたのは一億年前。でも「一億年」という時間は遠すぎて現実感がわかない。少しでも実感できる方法はないだろうか。

 億年、万年、千年単位の時間がつぎつぎと出てくるジャレド・ダイアモンド博士の人類史、文明史「銃・病原菌・鉄」(倉骨彰訳)を読みながら、「年」をお金の「円」と読み替える方法を思いついた。 

 二百万年前と百万年前は遠近感に乏しいが、身近な二百万円と百万円ならその差がピンとくる。恐竜の一億年前と人類誕生の七百万年前も「一億円」と「七百万円」で大きな違いが納得できる。農耕文明は四千円。戦後はわずか七十二円。

 米朝の首脳会談が中止騒ぎになり、国内はモリカケ問題で揺れ続けている。日々ニュースに追われていると、自分がどこに居て何を見ているのかが分からなくなる時がある。

 四十五億年前に地球が誕生し、人類は七百万年前。一万三千年前から大陸、地域による発展の違いが始まる…。博士の本に四十五億円の積み重ねの中の二〇一八円を捉えるヒントをいくつも得たような気がした。

 ではどこへ向かうのか。環境や人口問題など今の文明が抱える問題を解決できないと、わずか五十円で文明全体が危機に直面すると博士は見ている。(安田英昭)

 

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