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住宅寝室に「内窓設置」 成田空港機能強化で防音対策

千葉

2018年9月12日

上空を飛行機が通過する内窓効果体験住宅=いずれも成田市で

 成田空港の機能強化の一環でA滑走路の運用時間を深夜に1時間延ばすため、成田国際空港会社(NAA)は10月1日から、空港周辺地域の防音対策で住宅の寝室の内窓設置事業などを始める。これに先立ち、施工後の防音効果を体験できる「内窓効果体験住宅」を空港北側の成田市内に用意し、今月12日から一般公開する。 (小沢伸介)

 設置事業の対象は、A滑走路周辺の成田市と芝山町、横芝光町、山武市の約九百戸。A滑走路の発着時間変更は、二〇二〇年東京五輪・パラリンピック開催までに実施することで地元自治体が合意しており、NAAは内窓設置をその前提と位置付けている。

 内窓は厚さ五ミリのガラスと樹脂製か木製のサッシの組み合わせで、三五デシベル前後の遮音効果がある。標準的な仕様なら自己負担ゼロ。対象者は市役所か町役場で申請する必要がある。工事自体は実質一日で済むが、すべての手続きが終わるまで一カ月程度かかるという。

 内窓を設置できるのは寝室として使っている部屋で、居住する家族の人数分まで。一人世帯でも子や孫が敷地外で別居している場合は、帰省を考慮して二部屋分の施工が可能となる。このほか、寝室の壁と天井の補完工事にも世帯人数に応じた助成金がある。事業費は計約十一億円。

 モデルハウスは成田市西大須賀にあり、木造二階建て延べ百五十七平方メートル。築二十三年の和風住宅。B滑走路の飛行ルート直下で、通過時の高度は約四百メートル。B滑走路が北側に千メートル延びる機能強化に伴い移転対象となる場所だ。

 NAAは昨年三月に芝山町の航空科学博物館の敷地内に同様のモデルハウスを設けた。だが、建物自体が新築だったことから、訪れた人から「普通の家屋でも防音効果があるのか」などと疑問視する声が相次いだ。そこで今回、在来工法の中古住宅を入手した。

施工された内窓を見学し、説明を受ける地域住民ら

 内覧会が今月五日あり、地元の騒音下住民でつくる下総地区空港対策委員会の幹部が現地を視察した。屋外と屋内にマイクを設置して騒音を測定した結果、この日は小型機の通過時で三五〜三七デシベル、中型機で三九デシベルの遮音効果が確認された。

 堀江昭夫会長(67)は「条件の差もあると思うが、今住んでいる家よりは、はるかに静か。午後十一時台も飛ぶようになったら、内窓を設置しないと眠れないのではないか。希望者への早い対応と、対象者への丁寧な周知が必要。将来的には対象地域の拡大も考えてもらいたい」と話した。

 内窓効果体験住宅は事前予約制で、原則として平日午前十時〜午後四時に、一回最大二十人程度まで対応。予約は専用ナビダイヤル=電0570(000)955=へ。

 

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