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<探訪ちばの味> 神崎町「Little forestゆうゆう」の定食

千葉

2018年9月9日

店を切り盛りする武田美保子さん(右)、千葉貴美子さん姉妹=神崎町で

 神崎町の田園地帯にたたずむ小さな喫茶店「Little forest ゆうゆう」は、発酵食品にこだわった手作りのランチが評判だ。人口六千百人ほどの県内最小の町ながら「発酵の里こうざき」を商標登録するなど、行政が進める発酵に的を絞ったユニークなまちおこしにも一役買っている。

 目当ての「ゆうゆう定食」を頼むと、バラエティー豊かなお膳が出てきた。地元産の無農薬大豆で作ったインドネシアの発酵食品「テンペ」、タコとキュウリの酢みそあえ、カボチャの煮物、鶏モモ肉のソテー、ナスのみそ汁など。どれも素朴な味わいで、だしがきいていて、胃腸に優しい。

 「なるべく無添加のしょうゆ、みそ、酢、こうじを調味料にするのが基本。すべて手作りで手間は掛かるが、ちょっと昔の暮らしを掘り起こし、できそうなことをやっているだけです」と店主の一人、千葉貴美子さん(70)は話す。

 おかずをどうするかは、店を一緒に切り盛りする姉の武田美保子さん(78)と前日に話し合って決める。ご飯とみそ汁に主菜一品、副菜三品が標準的な構成だが、おかずが増えることもある。常連客は「同じ組み合わせだったことは一度もない」と笑った。

 保育士の貴美子さんが町立保育所長を退職後の二〇〇七年、母親たちの「気軽にお茶したい」という声に応え、町で初めての小さな喫茶店を開店した。コンテナハウスを三つ並べた造りで、美保子さんの夫が営む青果卸のアンテナショップも兼ねる。

 町の人口の五倍以上も来場するイベント「酒蔵まつり」で、町の招待客約百人に振る舞う「発酵膳」を引き受けたのをきっかけに発酵食品の研究を深め、三年前から定食をメニューに加えた。町内の豆腐店の油揚げにさまざまな具材を入れた袋煮は自信作だ。

 姉妹は「お客さんや友人、知人のいろんな情報を取り入れてグレードアップしてきた」と感謝し、「季節の野菜を取り入れたおふくろの味をぜひどうぞ」と来店を呼び掛けている。

 発酵によるまちおこしは、町内に酒蔵二軒とみそ蔵三軒、こうじ店一軒があることに目を付けた取り組みで、同町松崎の「道の駅発酵の里こうざき」も、このコンセプトに合わせて整備された。

 発酵定食は、道の駅のレストランオリゼの人気メニューの一つになっている。木製の大きなたるが目印の売店「発酵市場」は、全国各地の約六百種類を取りそろえ、さながら発酵食品の博物館だ。

 店長の東川慶さん(34)は「発酵が健康とリンクしている面を訴求したい。八月から自然免疫活性に優れた菌を探る研究を始めることになった。地元農産品と掛け合わせた新商品開発ができれば」と期待を込める。 (小沢伸介)

<Little forest ゆうゆう> 神崎町郡131の3。営業は午前10時〜午後6時。月、木曜日定休(祝日は除く)。屋内10席、テラス16席。ゆうゆう定食は食後にコーヒーか紅茶が付いて1000円。電話=0478(72)3403。

 

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