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用地買収反対「農業が衰退」 松戸・矢切の物流センター計画

千葉

2018年9月9日

パネルディスカッションで都市農業について意見を述べるパネリスト=松戸市で

 松戸市の矢切地区に広がる田畑の中に、民間の事業者が物流センターを建設する計画を進めているのを受け、開発に反対する市民らが「矢切の耕地を未来につなげる会」を結成した。五日、市内で開かれた発足の集いには約百三十人が参加、都市農業や田園風景を守ろうと声を上げた。

 会によると、江戸川沿いの矢切には約八十四ヘクタールの農地が残っているという。市の特産品「矢切ねぎ」が栽培され、ヒット曲「矢切の渡し」で知られる江戸川唯一の渡し舟も運航する。

 業者側の説明によると、国道6号の南側の約十五ヘクタールに物流倉庫三棟を建設するという。昨年十一月ごろ、計画が明らかになり、地権者向けに説明会が開かれ、用地買収が始まった。

 集いでは、パネルディスカッションで市内で農業を営む唐沢圭輔さんが「耕作放棄地ゼロ、矢切ねぎは高値で取引される。用地を取られると農業は衰退する」と危機感をあらわにした。

 柏市のコメ農家の染谷茂さんは「農業は弱い産業。矢切の農地を守るには市民の応援がなければ」と会場に呼び掛けた。

 松戸市の食品加工会社会長の佐藤清さんは「外国からの観光客が増えている。自然環境を残し、農業体験しながら、ゆっくりしてもらうことも可能。観光に結び付くような加工品があれば」と提案した。

 また、市民団体代表の武笠紀子さんは、都市農業振興計画の策定など行政が果たす役割の重要性を指摘した。

 会発足の呼び掛け人は「地産地消、体に優しい野菜づくりのため農地を守りたい」「ふるさとと呼べる街を子どもたちに残すのが私たちの役割」などと訴えた。

 今後、生産者と市民のネットワークづくり、矢切地区の農産物のPRなどに取り組んでいく。 (林容史)

 

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