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<衆院選>「安全より当選第一」 オスプレイで揺れる木更津市民憤り

千葉

2017年10月6日

定期機体整備のため陸上自衛隊木更津駐屯地に到着した米軍普天間飛行場所属のオスプレイ=1月30日、木更津市で、本社ヘリ「まなづる」から

 衆院選(十日公示、二十二日投開票)で、安倍晋三首相は「北朝鮮への対応について国民に問いたい」とし、自民党は公約で憲法に自衛隊を明記することを盛り込んだ。米軍オスプレイの定期機体整備が続く陸上自衛隊木更津駐屯地(木更津市)。周辺で暮らす市民は、北朝鮮情勢が緊迫する中での総選挙を複雑な思いで見つめている。 (山口登史)

 「なぜ、この時期に総選挙なのか」。飲食店経営の男性(41)=木更津市=は首をかしげる。「政治家は自分が当選することが第一で、国民の安全を守ることなんて何も考えていない」と突き放した。

 木更津駐屯地には今年一月三十日、機体整備のため、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)配備のオスプレイが飛来。その後始まった機体整備は、現在も続いている。十月中旬以降には、周辺での試験飛行が始まる見通しだ。

 昨年十二月、沖縄県名護市沖の浅瀬に普天間飛行場所属の米軍オスプレイが不時着、大破する事故が起きた。

 今年八月にはオーストラリア沖で訓練中の米軍オスプレイの墜落事故が発生。木更津市は、試験飛行の自粛を米軍に働き掛けるよう、防衛省北関東防衛局に要請した。だが、防衛省は「機体に欠陥はなく、安全な飛行が可能」などとする米軍の説明をあっけなく認め、事故から一週間弱で飛行再開を容認した。

 木更津市の主婦石井牧子さん(42)は「そもそも世界中で事故が相次ぐオスプレイを使う必要があるのか。別の対応はできるはずだ」と憤る。

 陸上自衛隊がオスプレイを佐賀空港(佐賀市)に配備する計画を巡っては、地元との調整が難航し、暫定的な配備先として、九州地方の陸自の駐屯地に加え、木更津駐屯地も候補地に挙がる。

 核開発や弾道ミサイルの発射など、北朝鮮情勢が緊迫化する中、木更津市の住民団体「オスプレイ来るな いらない住民の会」事務局長の野中晃さん(77)=木更津市=は、「北朝鮮の一連の動きは容認できない」としつつ、短絡的に北朝鮮に圧力をかけようとする現政権の姿勢を疑問視する。

 「暫定的であってもオスプレイが配備されれば、ミサイルの標的になる可能性がある。国は真剣に基地や駐屯地などの周辺住民の安全を考えてほしい」と訴えている。

 

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